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<天皇陛下 きょう退位>皇室の姿問い、皇后陛下と歩む

天皇、皇后両陛下を案内する岡田さん(右)=2001年10月13日、多賀城市の東北歴史博物館
岡田茂弘さん

◎天皇陛下の学友・元東北歴史博物館長/岡田茂弘さん(85)

 天皇陛下の学習院中等科・高等科の学友で、東北歴史博物館(多賀城市)の初代館長を務めた岡田茂弘さん(85)=千葉県八千代市=に退位を前に陛下への思いを聞いた。

 終戦間もない学習院中等科の初め、陛下は「これからの皇室はどうあるべきか」と、よく口にされていた。戦争で多くの国民が犠牲になり、悩んでいたようだ。もちろん私たちからは何も言えない。答えは出ていなかったと思う。
 私が宮城県多賀城跡調査研究所の所長だった1972年、当時は皇太子、皇太子妃だったご夫妻を多賀城に案内した。
 周囲を一望できる政庁正殿跡から発掘現場を見学してもらう予定だったが、妃殿下が下に降りて作業員に話し掛け、皇太子も続いた。われわれ職員が慌てて駆け寄るというエピソードもあった。
 2001年には国体で宮城県を訪れ、当時、東北歴史博物館の館長だった私が館内を案内した。歌枕が多い東北が、古代中世の頃に理想郷とされていたことに関心を持たれていた。
 東日本大震災をはじめ各地で災害があるたび現地に赴き、避難所で床に膝をつき、被災者に話し掛けられた。米自治領サイパンやパラオ、フィリピンなど日本兵が玉砕した地域を度々慰霊に訪れ、全ての戦没者を悼んだ。
 陛下が30年かけて行ってきたことは、現憲法下での陛下としての結論であり、国民に受け入れられた。戦前の教育を受けた陛下の象徴としての歩みは、率先してそうしてきた皇后陛下の影響ではないか。
 陛下は激務が続いていた。退位後はご自由に、お気の召すようにお過ごしくださいと申し上げたい。
(聞き手は報道部・佐藤素子)

[おかだ・しげひろ]同志社大大学院修了。奈良国立文化財研究所、宮城県多賀城跡調査研究所長、東北歴史資料館副館長、国立歴史民俗博物館考古研究部長・教授を経て1999〜2004年東北歴史博物館長。東京都出身。


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2019年04月30日火曜日


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