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<平成 きょうで幕>引き揚げ者の開拓地、ハンセン病施設 ゆかりの地惜しむ声

北原尾地区の開拓記念碑の前で工藤さん(右端)の説明を聞かれる天皇、皇后両陛下=2015年6月17日、宮城県蔵王町

 天皇、皇后両陛下が温かいまなざしを向けられたのは東日本大震災などの被災地だけではない。戦後の引き揚げ者による開拓地や激しい差別にさらされたハンセン病患者など、苦境にあった東北の人々の元にも足を運んだ。関係者は両陛下の思い出を大事に抱き続けている。
 太平洋戦争の激戦地パラオからの引き揚げ者が切り開いた宮城県蔵王町北原尾地区。北原尾農事組合長の工藤静雄さん(77)は両陛下の2015年6月の訪問時、案内役を務めた。「長生きしていただきたい。激戦地を訪ねた思いも引き継がれてほしい」と話す。
 今年2月に宮中茶会に招かれた。「まさか招かれるとは。もうお目にかかれないと思っていた」。立食形式の会場後方にいたため直接言葉を交わすことはできなかったが、10メートルほどの距離で懇談の様子を見守った。「以前と変わりなくお元気でまだまだ務められそうだった」と惜しんだ。
 「短時間だったけど一生忘れられない」。登米市迫町の国立ハンセン病療養施設「東北新生園」の入所者自治会長久保瑛二さん(86)は、14年7月の両陛下の訪問を鮮明に覚えている。
 両陛下は霊安堂で白菊の花束を供え、別室で入所者と懇談した。両陛下から励ましの言葉を聞いた入所者は後に「生きていてよかった」「もったいなくて声にならなかった」などと話したという。
 久保さんは「いたわりの心を感じた。退位は残念。もう少し頑張ってほしかった」と話した。


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2019年04月30日火曜日


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