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<平成 きょうで幕>東北 陛下に感謝 復興願い被災地励ます

東日本大震災被災地の仮設商店街を訪れ、商店主に声を掛けられる天皇、皇后両陛下=2014年7月23日、宮城県南三陸町

 天皇陛下が30日、退位される。東日本大震災の被災地に何度も足を運び、避難所の床にひざまずき、ひたすら耳を傾け、人々を励ましてきた天皇、皇后両陛下。その姿に触れた被災者は、深い感謝を胸に平成の終わりを見守る。

 両陛下は2011年4月27日、宮城県南三陸町の避難所を見舞った。「奈落の底にいた町民が笑顔になり、勇気づけられた」と佐藤仁町長(67)が振り返る。
 「水産業で町を復活させる」と陛下に約束した町長。14年4月の春の園遊会で再会した際、水産業の復旧状況を尋ねられた。「会話を覚えていたことに感動した。退位後はゆっくりお休みいただきたい」と話す。
 岩手県大槌町のホテル社長千代川茂さん(67)は、12年2月に心臓の手術をした陛下にお見舞いの記帳をした。震災前に両陛下が宿泊したホテルは津波で全壊し、途方に暮れていた。
 「記帳ありがとう。ホテルはどうなりましたか」。数カ月後、宮内庁関係者から陛下の言葉を伝えられ、感激した。「絶対に再建すると決意した」。営業再開後の16年10月、再び泊まりに来た両陛下を万感の思いで出迎えた。
 東松島市の農業生産法人前社長の千葉久馬さん(70)は震災後、被災農家を雇ってイチゴ栽培に挑戦。15年3月、視察に訪れた陛下に「頑張ってください」と声を掛けられ、奮起した。
 昨季のイチゴ出荷額は、目標の1000万円を超える1300万円に上った。「復興に向けて励みになった。陛下にはご苦労さまでしたと伝えたい」と語る。
 両陛下は18年6月、南相馬市原町区雫(しどけ)地区であった全国植樹祭に出席。地区の震災慰霊碑を訪れ、25人の津波犠牲者を悼んだ。行政区長の園芸業村松保一さん(69)は「陛下が平成最後の植樹祭にこの地を選んでくれたことは大変光栄」と話す。
 懇談で皇后さまが話題にされたヤグルマギクの種を近く送るという。「退位後は健康に留意し、余裕のできた時間で種をまいて育ててほしい」と願った。


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2019年04月30日火曜日


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