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平和の尊さかみしめて 九条せんべいで訴え

仙台空襲の体験や、九条せんべいの経緯を語る瀬川さん

 仙台空襲体験者が考案し、憲法9条の条文を焼き判にして押した「九条せんべい」が令和時代を迎えた。仙台市青葉区の鋳金職人瀬川満夫さん(86)が焼き判を製作し約20年になる。瀬川さんは次世代に「平和の尊さをかみしめてほしい」と願う。
 九条せんべいは瓦せんべい5枚に、戦争放棄をうたった9条の条文を焼き付けた。昔ながらの手焼きで、甘い風味が特徴だ。瀬川さんの父の焼き判を使っていた青葉区宮町3丁目の老舗せんべい店「小萩堂」に製造を依頼し、2001年に発売された。
 市民団体「九条の会」呼び掛け人の一人、故井上ひさしさんがせんべいを味わい、仙台文学館の作文教室で受講者に振る舞った。関係者を通じ、憲法の男女同権条項を起草した米国の故ベアテ・シロタ・ゴードンさんにも渡されたという。
 12歳の時に仙台空襲に遭った瀬川さんは、家族は逃げて無事だったが、一緒に通学していた下級生らが犠牲になった。「当時は神風が吹くと信じていた。お上の指導に従って畳の下に掘った防空壕(ごう)に避難した人は、蒸し焼けになった」と振り返る。
 瀬川さんは戦後50年の1995年、空襲で亡くなった女児をモデルにしたブロンズ像を制作し、市戦災復興記念館に寄贈したこともある。
 瀬川さんは「『まじめなことをゆかいに』と言った井上さんのように、笑いを通じて憲法を守りたいと思った。親しまれてきたせんべいが続いてほしい」と話した。
 せんべいは1袋150円。連絡先は小萩堂022(222)3569。


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2019年05月01日水曜日


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