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<元年に懸ける>自社ブドウで醸造へ 南三陸ワイナリー(南三陸町)

ブドウの生育状況を確かめる佐々木さん(左)と正司さん

 令和元年が始まった。新時代の幕開けとともに新たな展開を見せる、宮城県内各地の意欲的な取り組みを紹介する。

 東日本大震災の被災地で芽生えたワイン造りの挑戦が、新時代とともに実りの時を迎えようとしている。2月に設立されたばかりの「南三陸ワイナリー」(南三陸町)は、今秋から自社栽培のブドウを使った醸造をスタートさせる。
 町でワインを造ろうというプロジェクトは、2017年春に当時の町地域おこし協力隊が企画した。入谷地区の山間部でワイン用のブドウ栽培が本格的に始まり、約5000平方メートルの畑で、白ワイン用のシャルドネを中心に800本のブドウの木が育つ。

 プロジェクトを推進する南三陸ワイナリー社長の佐々木道彦さん(46)は19年1月、取締役で栽培醸造責任者の正司勇太さん(33)は17年9月に、それぞれ町地域おこし協力隊員として着任した。ともに、被災地で新たな産業を興す動きに共感。大手楽器メーカーで事業開発に携わった佐々木さんが経営を担い、正司さんは山梨県などのワイナリーで働いた経験を生かす。
 「南三陸の豊かな海産物とワインを組み合わせ、食を通じて地域を盛り上げたい」。ワイン造りに懸ける2人の思いは一緒だ。
 同社で初めて商品化したワインは今年4月中旬、仙台市内であった南三陸町の物産販売市で販売した。用意した50本が完売し、佐々木さんは「幸先のいいスタートが切れた」と声を弾ませる。

 第1弾のワインは山形県産ブドウを原料に、2人の研修先の仙台秋保醸造所(仙台市)で造った。正司さんは「ワイン造りの手応えを得ることができた」と収穫を口にした。
 2人は、早ければ来年には町内に醸造施設を開設する青写真を描く。「事業を通じ、地域活性化に貢献したい」と佐々木さん。正司さんは「南三陸のブドウで良質なワインができることを示したい」と意気込む。
(南三陸支局・佐々木智也)

[メモ]4月に販売を始めたワインは白とスパークリングの2種類。価格は各2700円。白は会社のウェブサイトや南三陸町の酒店で購入できる。スパークリングはウェブサイトのみで販売。連絡先は080(8490)7407。


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2019年05月02日木曜日


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