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<仙台・西公園>思い出の機関車  解体危機越え半世紀

SLを眺める子どもたち。市民に愛され続け、半世紀がたつ

 仙台市青葉区の西公園にある蒸気機関車(SL)が5日、展示から半世紀を迎える。「鉄道のおじさん、蒸気機関車をぼくたちにください」。少年の声が届き、50年前の「こどもの日」にやって来た。2度の解体の危機を乗り越えたSLは、これからも子どもたちに愛され、仙台の街を見守り続ける。

 SL「C601」が西公園に来たのは1969年5月5日。東北線や常磐線で活躍し、盛岡−青森間で特急「はつかり」「はくつる」をけん引した。しかし、東北線の全線電化により現役を引退し、解体の対象となった。
 最初の危機を救ったのは、当時仙台市国見小1年だった滝浦真人さん(57)=東京都=が旧国鉄に送った1通の手紙だった。新聞で100台以上のSLが解体されることを知り、「ください」とストレートにお願いした。
 西公園に展示する車両にC601を選んだのが、当時国鉄東北支社車両課長だった長倉徳之進さん(90)=青葉区=だ。「少年の手紙が保存のきっかけになったと知ったのは10年ほど前」と振り返る。
 SLは西公園で雨風にさらされて劣化が進み、2度目の解体の危機を迎えた。ナンバープレートなど、外せる部品の盗難も相次いでいた。
 状況を見かねた長倉さんら鉄道OB会が2012年、仙台市に修繕と屋根の設置を要望。16年秋、化粧直しを終えたC601が公開された。
 現在は鉄道OB会や鉄道ファンらが「仙台市蒸気機関車C601保存会」をつくり、定期的に車両の清掃や解説をしている。会長に就任した長倉さんは「SLが昔、最大の輸送道具だったことを子どもたちに知ってほしい」と願う。
 最初の解体の危機を救った滝浦さんは現在、放送大学教授を務める。市民による息の長い保存活動に敬意を表した上で「不思議な存在感を持った近代の遺産として、西公園にあり続けてほしい」と話す。

◎18日にトークイベント

 青葉区の東北福祉大・鉄道交流ステーションで、企画展「西公園C601ものがたり」が開かれている。7月6日まで。5月18日午後2時、滝浦さんや長倉さんを招き、「二度蘇(よみがえっ)った機関車C601」と題したトークイベントがある。無料。予約不要。連絡先は同ステーション022(728)6612。
 


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2019年05月03日金曜日


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