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<元年に懸ける>寺院フェスへ町一丸 ザ・オトマチプロジェクト(蔵王町)

フェス会場の蓮蔵寺本堂で打ち合わせをする佐藤さん(左から2人目)ら

 令和元年が始まった。新時代の幕開けとともに新たな展開を見せる、宮城県内各地の意欲的な取り組みを紹介する。

 寺院の本堂が6月、音楽フェスの熱気に染まる。
 蔵王町宮の蓮蔵寺で初めて開かれる「ザ・オトマチ2019」。主催するのは、地元の40代の有志が中心となる団体「ザ・オトマチプロジェクト」だ。

 一線で活躍するアーティストや、多彩な地元食材のメニュー。プロのイベンターを介さず、メンバーの人脈を生かして出演者や出店者を集める。
 「音楽と食を子どもからお年寄りまで楽しめる蔵王ならではのイベントにしたい」。代表の自営業佐藤貞治さん(42)は意気込む。
 フェスに「OTO(音)でZAO TOWN(町)に活気を」と思いを込める。進学や就職で町を離れる若者は後を絶たない。古里は少子高齢化と人口減少でにぎわいを失いつつある。
 「現状を変えるため、行政だけに頼らず自分たちにできることはないか」。佐藤さんは昨年秋から中学の先輩や同級生、近隣の商店主らと準備を進め、今年3月に町内の美容室でプレイベントを開いた。
 フェス会場となる蓮蔵寺住職の藤間寿春さん(68)は「寺は葬儀や法事だけに訪ねる場になってしまった。もっと身近な心のよりどころとして、若者たちが寺や町に親しむきっかけになればいい」と期待する。

 数人で始めた取り組みの実行委員は、今や約60人に増えた。町内約30の個人商店や企業なども、パンフレット広告やチケット購入などで協賛してくれている。
 集客目標は300人以上。事務局の介護施設責任者黒沢寛さん(47)は「最初は手探りだったが、熱い気持ちが人から人に伝わり、うねりになりつつある」と手応えを実感する。
 「皆の思いと力を合わせ、イベントを育て続けたい」と佐藤さん。「田舎のちいさなフェス」をサブタイトルに、開幕まで1カ月。町おこしの大きな夢へ向け、ボルテージを上げる。
(白石支局・村上俊)

[メモ]6月9日午前11時開演。元ピチカート・ファイブの音楽家小西康陽さん、蔵王町のシンガー・ソングライター幹mikiさんら4組が出演予定。大人2000円、高校以上の学生1500円(当日各500円増)。中学生以下無料。連絡先はtheotomachi@gmail.com


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2019年05月03日金曜日


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