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<元年に懸ける>温泉街 全力で沸かす NARU−Go!再生プロジェクト(大崎市)

温泉街の空き店舗を調査するプロジェクトメンバー=4月22日

 令和元年が始まった。新時代の幕開けとともに新たな展開を見せる、宮城県内各地の意欲的な取り組みを紹介する。

 土産物店や飲食店が軒を連ね、観光客が浴衣姿でぶらぶら散歩を楽しめる温泉街を取り戻そうと、大崎市鳴子温泉の住民グループ「NARU−Go!再生プロジェクト」が動き始めた。

 4月22日、JR鳴子温泉駅周辺で空き店舗の調査に着手。メンバー8人が約800メートルの区間を歩き、使われていない店を地図に書き込んだ。
 「昔は塗り物屋だったわよね」「この建物の持ち主は今、仙台に住んでいるのよ」
 メンバーの旅館やこけし店のおかみが記憶をたどり、互いの情報を確認し合った。若手の一人は「地域で長く商売をしていないと知り得ないことばかり」と感心した。
 再生プロジェクトは2018年7月に発足した。背景には、新たな時代を前にした危機感があった。鳴子温泉郷の観光客はピーク時の1991年に年間約400万人だったが、近年は200万人前後とほぼ半減している。
 空き店舗調査の中心を担う鳴子観光ホテルのおかみ大沼瑞恵さん(63)は「人の物(不動産)に口出しするのは気兼ねしていたが、そうも言っていられない」と話す。
 調査の結果、空き店舗は20カ所あることが分かり、メンバーから「思ったよりもあった」との感想が漏れた。

 一方、旅館「東多賀の湯」専務で再生プロジェクトリーダーの遊佐翔さん(28)は「人とのつながりで活性化できる余地がある」と感じた。不動産業者の看板が付いた店舗は少なく、所有者が変わっていないとみられる店舗が多かったからだ。
 今後は、つてを頼って所有者と連絡を取り、取引条件などを整理する。活用できる空き店舗情報はウェブサイトで発信し、出店したい事業者らと結び付ける。本年度はまず1軒の再活用を実現し、事業の知名度や信頼性を高めたい考えだ。
 「借り手が見つからなかったら、シャッターにこけしの絵を描かせてもらおう」と遊佐さん。湯の町の再生のため、やれることは全てやると心に決めている。(加美支局・佐藤理史)

[メモ]メンバーは現在11人。業界団体代表らが中心の組織ではなく、さまざまな職種、年代の有志が知恵を出し合う。本年度は写真集の制作、観光商品の開発などにも取り組む。


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2019年05月05日日曜日


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