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遠刈田こけしの次代担う 工人3人デビュー、蔵王町の育成事業で修業

作品展会場で自作のこけしを手にする(左から)小松さん、小山さん、我妻さん

 宮城県蔵王町遠刈田温泉地区を発祥とする遠刈田系こけしで、新人のこけし工人3人がデビューした。町の後継者育成事業で約3年間修業を積んだ。4月から工人として作品の販売を認められ、同地区のみやぎ蔵王こけし館では3人の作品展を開催中。歴史を受け継ぐ伝統こけしや、新時代を見据えた意欲作を披露している。
 デビューしたのは、堺市出身の小松里佳さん(50)、新潟市出身の小山芳美さん(38)、仙台市の我妻司さん(33)。3人は2016年7月からそれぞれ別の地元工人を師匠とし、町内に移り住んだり、町外から研修所に通ったりしながら伝統の技を学んできた。
 小松さんは「床の間やテレビの上など飾る場所が減ってきた。玄関に置いてもらったり、倒れにくい形にしたりして毎日目に触れて癒やしを感じられるこけしを作りたい」と、生活の場になじむ作品を思い描く。
 小山さんは、こけしファンから工人になった。「お金を出して買ってもらう責任を感じ、一生懸命取り組む。伝統に軸足を置き、いつ見ても飽きないこけしを目指したい」と謙虚に話す。
 我妻さんは、兄で遠刈田系こけし工人の昇さん(35)と共に、仙台市泉区に工房を構える。「テレビなどでこけしを見る機会が多くなり、この波に乗りたい。遠刈田系の魅力を県内外に広め、将来の工人を増やす種まきもしたい」と力を込める。
 町によると、町内の遠刈田系工人は1950年代に約100人いたが、2018年度末時点では6人で平均年齢80歳超。後継者育成事業は09〜12年度にもあり、20〜40代の3人を採用。1人が工人を続けている。
 遠刈田伝統こけし工人組合の佐藤勝洋組合長(75)は「伝統を大切にしながら、若い3人の個性と創造力を生かして盛り上げていってほしい」と期待する。
 作品展「こけし新時代 Rebuild」は6月30日まで、午前9時〜午後5時。入場無料。連絡先はこけし館0224(34)2385。


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2019年05月08日水曜日


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