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福島・大熊町新庁舎の業務開始、8年2ヵ月ぶり 宮城・山元もプレハブ庁舎から機能移転

手続きに訪れた町民に対応する職員(左)=7日午前8時40分ごろ、大熊町役場新庁舎
業務が始まった山元町の新庁舎内

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が一部地区で解除された福島県大熊町と東日本大震災で被災した宮城県山元町は7日、それぞれ整備した町役場新庁舎で業務を始めた。震災と原発事故から8年2カ月になるのを前に、復興と地域の再生に向けて大きな節目を迎えた。
 大熊町の新庁舎には会津若松、いわき両出張所にあった部署がほぼ全て戻り、職員約100人が執務する。職員会議で渡辺利綱町長は「今後は同じ屋根の下で仕事ができる。心一つにこれまで以上の力を発揮してほしい」と訓示した。
 いわき市に避難する配管業渡部義輝さん(44)は午前8時半すぎ、証明書再発行のため住民課を訪れ、職員がカウンター越しに笑顔で対応した。渡部さんは「役場再開は町再生への第一歩。帰還は未定だが、町がどう再生していくのか楽しみだ」と話した。
 町は2011年4月、会津若松市に会津若松出張所を開設し、本庁機能を持たせた。小中学校などが同市にあるため教育総務課が会津若松出張所に残る以外は、いわき出張所とともに規模を縮小。中通り連絡事務所(郡山市)と同様に避難町民の生活支援、窓口業務を継続する。大川原連絡事務所は閉所した。
 山元町の新庁舎は、旧庁舎、プレハブ庁舎と同じ高台の同町浅生原の敷地にあり、鉄筋2階で延べ床面積は約4200平方メートル。緩やかな円形を描く外観が特徴で、天窓や吹き抜けから光を取り込み、広いロビーを設けた。町は10日に開庁式を開く。
 斎藤俊夫町長は「令和の幕開けとともに新庁舎で業務が始まり、復興の総仕上げに向けて大きな節目を迎えた」と職員に訓示。来庁した男性(55)は「きれいで案内表示が分かりやすい。町の要が完成し、復興が本格化する」と期待した。
 1974年に使用が始まった旧庁舎は震災後に解体。2011年7月からプレハブ庁舎で業務してきた。
 震災や原発事故で被災し、本庁舎の建て替えが必要となった岩手、宮城、福島3県の自治体のうち、整備中は陸前高田市(20年度内の完成予定)と宮城県亘理町(今年11月完成予定)。全町避難が続き、いわき市に仮役場を置く福島県双葉町の役場庁舎の在り方は決まっていない。


2019年05月08日水曜日


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