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震災の記憶 ひと針に込め 被災女性ら刺しゅう展 仙台・メモリアル交流館

刺しゅうの下のコメントにも目を通す人々

 東日本大震災で被災した仙台市宮城野、若林両区の女性たちが震災の記憶を刺しゅう作品で表現した企画展が、若林区のせんだい3.11メモリアル交流館で開かれている。19日まで。
 「ししゅうで伝える『わたしの物語』 東日本大震災の記憶」と題し、50〜70代の女性38人の作品42点を展示。市内各地から寄付された布の端切れや糸を使い、25センチ四方の布に記憶に残る風景やシーンを描いた。
 震災前の貞山運河や海岸沿いの松林を刺しゅうした作品、震災で死んだ愛猫と井土地区の一本松を描いた作品、震災当日に家族4人で1本のろうそくを囲み、身を寄せ合った記憶を表現した作品などがある。
 会場を訪れた青葉区の会社員平沢杏樹さん(22)は「同じ素材の布を使っていても、全く異なる刺しゅうが出来上がっている。言葉だけでは分からない震災の記憶が伝わる」と話した。
 主催したのはNPO法人イコールネット仙台。被災女性たちの体験を多くの人に知ってもらい、記憶の風化を食い止めようと企画した。昨年10〜12月に同館で講座を3回開き、昭和女子大名誉教授の天野寛子さんの手ほどきを受けながら、刺しゅうを完成させた。
 各作品には制作者の70文字メッセージが添えられている。イコールネット仙台の宗片恵美子代表は「作品に込めた思いも含めて見てもらいたい。温かな刺しゅうから女性たちの物語が伝わればいい」と期待した。
 入場無料。午前10時〜午後5時。連絡先は交流館022(390)9022。


2019年05月10日金曜日


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