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線量測定 空から効率的に 原子力機構などがドローンシステム開発

ドローンシステムで表示された放射性物質の分布状況。赤い場所はホットスポット(原子力機構提供)
空から放射性物質の分布状況を調べるドローン(原子力機構提供)

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)などは9日、東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を空から測定するシステムを開発したと発表した。カメラを搭載した小型無人機ドローンを自立飛行させ、広大なエリアから線量が高いホットスポットを探し出す。本年度中の実用化を目指す。
 ガンマ線を検出する小型軽量のコンプトンカメラをドローンに搭載。プログラムに従ってドローンが10〜15メートルの高度を維持し、地上の放射性物質の分布状況を測定する。結果は線量率に応じて色分けされ、航空写真と重ね合わせると3次元で表示できる。
 広いエリアを短時間で検知できるのが特長。福島県内の帰還困難区域で1月末に行った実証試験では、従来機器で半日以上を要する約7000平方メートルを30分未満で測定した。局所的に存在するホットスポットも正確に捉えることができた。
 浜通り地方に新産業集積を図る「福島イノベーション・コースト構想」に基づく補助金を活用し、原子力機構と千代田テクノル(東京)、栄製作所(南相馬市)が2016年度から共同研究してきた。今後自治体などから依頼があれば、有償で測定サービスを行うことを検討している。
 9日に福島県庁で記者会見した原子力機構の鳥居建男副ディビジョン長は「ドローンによって広いエリアを効率的に把握できる。原発事故が起きた場合、人が立ち入れない場所をモニタリングすることも可能になる」と話した。


2019年05月10日金曜日


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