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<吾妻山>警戒引き上げレベル2へ 福島の観光地「失望」大きく

通行止めの看板を設置する作業員=10日午前9時30分ごろ、福島市

 山形、福島両県にまたがる吾妻山(吾妻連峰)の噴火警戒レベル2への引き上げから一夜明けた10日、福島県は入山規制の周知など対応に追われた。4月22日に引き下げられた警戒レベルはわずか2週間余りで逆戻りし、福島市の観光地では誘客に不安が広がった。
 吾妻山の周辺を走る磐梯吾妻スカイライン(28.7キロ)。県は31日の再開通を目指し除雪作業を進めてきたが、警戒レベル引き上げで見通せなくなった。福島市の土湯峠側では10日午前9時半、作業員が通行止めを伝える看板を設置した。
 近くにある鷲倉温泉の旅館「高原の湯宿」は日帰り温泉の入浴客数が例年の半分程度にとどまる。「スカイライン再開通は誘客の生命線。期待していただけに失望は大きい」と後藤ルミ子若女将(おかみ)。「自然が相手なので恨めないが、損害賠償を請求したいくらいだ」とこぼした。
 警戒レベル引き上げは市内の観光関連業界に打撃を与えそうだ。
 「『残念』よりも『困ったな』が思いに近い。農協出荷など観光に依存しない売り方を模索しなければならない」と語るのは、高湯温泉の麓で観光果樹園を営む片平新一さん(65)。土湯温泉に物産店を構える渡辺忠雄さん(80)も「夏場に向けて観光客が増えると思っていたのに…」と肩を落とした。
 再開通を観光の起爆剤と位置付けていた市にも、動揺が広がった。木幡浩市長は「(6月1、2日に福島市で開かれる)東北絆まつりに再開通が間に合うと喜んでいたが、残念だ。観光への影響が出ないように取り組みたい」と話した。
 スカイライン中間地点の県浄土平レストハウスも営業再開に向けた準備の中断を余儀なくされた。前年度まで運営していた県観光物産交流協会(福島市)は採算性などを理由に契約を更新せず、県が新たな委託先を探す準備を進めているさなかだった。
 県観光交流課の担当者は「トイレや物販といった機能は(運営主体が変わっても)維持しなければならない。状況が変わったので仕方ない」と困惑した。


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2019年05月11日土曜日


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