宮城のニュース

<登米ウイーク>故高倉勝子さんの代表作「漁婦」発見 地元の美術館で9月公開へ

見つかった作品「漁婦」と三男の篤麿さん夫妻。作品の上に掲げられているのは高倉さんの写真

 宮城県登米市出身の日本画家で河北美術展参与の故高倉勝子さん(1923〜2015年)の代表作で、行方が分からなくなっていた作品が十数年ぶりに見つかった。東京五輪があった1964年に描かれ、河北展で入賞した後、旧宮城県スポーツセンター(仙台市青葉区川内)に展示されていた。2020年東京五輪を前に作品が戻り、遺族は「約半世紀ぶりの五輪を見たいと、亡き母がひょっこり現れたようだ」と喜ぶ。

 作品は「漁婦」(縦150センチ、横94.5センチ)。教員の高倉さんが多賀城市の中学に勤務した当時、塩釜市の魚市場の様子を描いた。河北展で東北放送賞を受賞した。
 「漁婦」は東京五輪開催と同じ64年に開館した県スポーツセンターの階段踊り場に展示されていた。センターが閉館して解体された2006年以降、行方が分からなくなっていた。
 登米市の高倉勝子美術館が開館10周年を迎えるのを機に、未公開作品を探していたところ、利府町の県総合運動公園(グランディ21)の収蔵庫に「漁婦」が保管されていたことが判明。18年末、県から高倉さんの三男篤麿さん(64)=仙台市泉区=に作品が返還された。
 篤麿さんは「母が最もパワフルに動き回っていた40代の作品。朝4時に起きて塩釜まで電車で行き、スケッチしたようだ。見つからないと諦めていたので本当に驚いた」と語る。
 高倉さんは縄文文化に深く傾倒して力強い独特の筆致が特長。自身も中学教員を務めながら創作を続け、働く女性をモチーフにした作品を多く描いた。河北展では、宮城県知事賞なども受賞した。08年度には地域文化功労者文部科学大臣賞を受けた。
 「漁婦」は、10月3日の高倉勝子美術館開館10周年を前にした9月、一般公開される。連絡先は同館0220(52)2755。


関連ページ: 宮城 社会

2019年05月12日日曜日


先頭に戻る