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<普門院庫裏>鷹山ゆかりの寺、往時今に 貴重な全面かやぶき屋根、展示室も

全面修復された普門院庫裏

 米沢市の国史跡「上杉治憲敬師郊迎跡(うえすぎはるのりけいしこうげいあと)」を構成する普門院庫裏の保存修理工事が終了した。史跡は米沢藩9代藩主上杉治憲(鷹山)が師と仰いだ江戸時代の儒学者細井平洲(へいしゅう)を出迎えた場所。市が2012年度から進めてきた工事により、現代では貴重な全面かやぶき屋根の木造建造物がよみがえった。

 同市関根地区にある史跡は羽黒神社と普門院本堂、庫裏、赤門などから成る。市は07年度に史跡保存管理計画を策定し、08年度から4年間で羽黒神社本殿を修復、続いて普門院庫裏の工事を進めてきた。
 普門院は853年創建。1750年の火災で本堂や庫裏が焼失し、庫裏は91年、本堂は96年にそれぞれ再建され、隣接している。
 庫裏は延べ床面積約330平方メートルの平屋の曲がり屋で、新設した展示室を含め、茶室としても使える方丈の間など10室から成る。柱やはりなど主要な構造体を残して全面改修し、復元された。
 96年9月、細井が米沢を訪れた際、鷹山は自ら羽黒神社で出迎え、普門院で長旅をねぎらった。この出来事は「敬師の美談」とたたえられ、戦前の修身教科書にも取り上げられ、1935年の史跡指定につながった。
 当時の接見の際に使用されたと伝わる茶器類が残されており、市は展示室に配置するなどして、庫裏を公開する予定だ。事業費は約2億3000万円。市は本年度、5年計画で本堂、赤門の整備に着手し、2026年度を目標に史跡全体の保存改修事業を終える。


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2019年05月12日日曜日


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