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<下北イチゴ>「やませ」追い風、夏秋に出荷 成長株に

下北で生産される夏秋イチゴ(むつ市ホームページより)
自衛隊を辞めて挑戦する農業で、イチゴの苗を植える準備をする大室さん=4月26日、むつ市

 青森県下北地方で生産されるイチゴの年間販売額が1億円に迫る勢いで伸びている。東北地方に吹く冷たい季節風「やませ」が追い風になり、全国的に品薄になる夏場に出荷できる点が最大の武器。需要に供給が追い付いていない状況で、新規就農者も続々と出ている。

 「夏の収穫が楽しみです」。むつ市の農業大室涼さん(25)は4月26日、自分のハウスで初めて苗を植えた。反対する妻を説得し、海上自衛官の仕事を昨年7月に辞めての挑戦だ。
 実家は自営業で農業は全くの素人。国の新規就農支援制度を利用し、イチゴ農家で3カ月間修業して準備を進めてきた。土地は借り、ハウス4棟(計約1320平方メートル)を建てた。今後、様子を見ながら事業を拡大する考えた。
 一般的な国産イチゴは冬から春に出荷されるのに対し、下北のイチゴは夏、秋に出荷する。イチゴは冷涼な気候を好むため、やませが吹き付ける下北は絶好の栽培場所となっている。
 生産者らの話では、複数の量販店などから取引の申し出があるが、供給が追い付かずに断っている状態が続いているという。
 県によると、下北地方のイチゴ出荷額は2005年の750万円から、18年は9600万円に拡大。05年に2人だった生産者は18年には20人に増えた。うち13人が新規就農者で、14年から5年連続で生産現場に飛び込んできている。
 県主要作物の技術・経営指標では、10アール当たりの生産額はコメ(規模3ヘクタール)の2万6320円に対し、イチゴ(規模0.5ヘクタール)は49万1686円で約18倍。高い単価を基に少ない土地で農業を始められることも新規就農を後押ししている。
 県下北地域県民局農業普及振興室の山口紀彦室長は「Iターン、Uターン希望者からの問い合わせも多い。イチゴ作りが下北の新たな産業になりつつある。地域に根差して発展できるよう支援していく」と話す。


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2019年05月14日火曜日


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