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<登米ウイーク>「登米能」後継者来れ 庶民が復活の武士文化、小中などへ「出前狂言」

9月の薪能で上演する「羽衣」の稽古に励む会員たち=登米市登米町の森舞台

 300年の歴史を持つ登米(とよま)能を次世代に引き継ごうと、宮城県登米市登米町を拠点とする「登米謡曲会」が後継者の育成に力を注いでいる。県内で唯一、アマチュアだけで能楽と狂言ができる強みを生かし、小中学校や高齢者施設などで「出前狂言」を実施。6月1日、市内で狂言と能楽の本格的な公演をする。

 会の発足は1908年。明治維新によって廃れかけた武士の文化を庶民の力で継承した。太平洋戦争や戦後の大水害で衰退したが、70年、登米神社で開く秋祭りの奉納行事として復活した。
 92年、河北文化賞を受賞し、98年には登米能が県無形民俗文化財に指定された。市伝統芸能伝承館・森舞台を拠点とする登米薪能は秋の風物詩として名高い。今年9月14日には能楽の名作「羽衣」と狂言「柿山伏」を上演する予定。
 会員は減少傾向にあり現在は20〜80代の約40人。能楽は地謡、囃子(はやし)などの技能を持つ20数人の協力が必要で、太郎丸晃会長(76)は「高齢化が進み、若手の育成が待ったなしの課題」と危機感をあらわにする。
 伝統芸能を身近に感じてもらうため数年前に始めたのが出前狂言だ。能楽に比べて少人数でできる狂言を解説付きで披露する。中心メンバーの佐藤勝彦さん(71)は「公演後、お客さんと握手をするなど触れ合いを大切にしている」と笑顔を見せる。
 会員の4分の1を占める女性は囃子などを担当する。主婦新田由佳さん(42)は「森舞台で結婚式を挙げ、めでたい謡を聴いて感激したのが入会のきっかけ」とほほ笑む。
 会は6月1日、「登米狂言・森舞台」を初めて企画した。狂言「木六駄(きろくだ)」「末広がり」、能楽の仕舞を披露する。午後2時開演。入場料は500円。小中高校生は無料。連絡先は佐藤さん090(7562)5808。


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2019年05月15日水曜日


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