秋田のニュース

<いぶりがっこ>農水省GIに登録 伝統守り価値向上目指す 安定した生産体制が急務

大根を天井からつり下げて薫製にするいぶりがっこ生産者(秋田県提供)
いぶりがっこ(秋田県秋田うまいもの販売課提供)

 薫製にした大根をぬか床に漬け込んだ秋田の名産品「いぶりがっこ」が8日、農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録された。秋田県内の関係者はGI登録がブランドの価値を高めると期待を膨らませる。一方で、手間が掛かるいぶりがっこ作りは現在でも生産が需要に追い付いておらず、安定した生産体制の構築が課題となっている。

<ブランド維持>
 「時間をかけて取り組んできたGI登録を果たせた。とうとうやったかという気持ちだ」。農事法人など13者でつくる秋田いぶりがっこ協同組合の理事長で、大仙市の農事法人「おばこ食品」の鈴木辰美代表(71)は声を弾ませる。
 近年、伝統的な製法を守らない県外産いぶりがっこが市場に出回るようになった。品質が劣るなどの問題があるといい、本場の秋田産ブランドの保護が課題となっていた。
 2017年に県や製造業者などが県いぶりがっこ振興協議会を設立。GI登録を申請した。
 いぶりがっこはいぶした大根の香りや風味が特徴。日本酒のつまみなどとして海外でも人気を高めている。鈴木さんは「秋田県産に国のお墨付きをもらった。海外にも積極的に魅力を発信していく」と登録のアピール効果を期待する。
 伝統的な味を守るためには、どうしても生産に時間を要するのが現状だ。
 県などによると17年度の県内の生産本数は17業者で278万本以上だが、生産量の1.2〜1.3倍ほどの注文があり活況を呈している。生産者の高齢化など直面する課題もあり、販路拡大に向け、需要に応えられる供給体制づくりは急務だ。

<職人芸も尊重>
 県内有数の産地、大仙市では、昨年6月に大曲商工会議所や市が市いぶりがっこ産地化協議会を発足させた。大量生産に対応する大規模工場の20年度までの整備を計画する。大根の薫製やぬか床に漬け込む作業を自動化し、年100万本の生産を目標に掲げる。
 県総合食品研究センター(秋田市)は15年、需要拡大を見据えて、より短い時間で漬け込む手法などの研究に着手。成果を生産者と共有し、生産の効率化を目指す。
 同センターの渡辺隆幸上席研究員は「いぶりがっこは職人芸。無理に生産性を上げることはできない」と生産者の心情を酌みながら「密に連携して、生産性と品質の両面の向上を図りたい」と話す。


関連ページ: 秋田 経済

2019年05月16日木曜日


先頭に戻る