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マグロ漁でトヨタ式「カイゼン」今年も 投げ縄作業効率化目指す

投げ縄作業を簡易化するために考案した機械を紹介するトヨタ東日本の担当者

 宮城県気仙沼市の漁業関係者が今年も、無駄を省くトヨタ自動車の生産管理手法「カイゼン」をマグロはえ縄漁の現場に導入する試みを始めた。昨年度は冷凍室内の作業の負担を軽減する取り組みに成功。17日は市魚市場で2019年度の目標を決める会合があり、投げ縄作業の一部で自動化を目指す方針を確認した。
 「カイゼン」に取り組むのは、17年6月にできた「まぐろ延縄(はえなわ)漁業生産性向上カイゼン検討会」。宮城県北部鰹鮪漁業組合や気仙沼遠洋漁業協同組合(ともに気仙沼市)に所属する船主などで組織する。
 漁師の高齢化が深刻化する中、船員の確保、定着のために作業の軽減化や効率化が必要として、トヨタ自動車東日本(大衡村)の協力を受けながら船内の働き方改革を進めてきた。
 18年度は冷凍マグロの表面が傷つかないよう再凍結させる冷凍室内の作業で改善が図られた。水が入ったタンクの縁に金属板を敷き、マグロを滑らせ移動しやすくする仕組みを開発。実際に11隻の遠洋マグロ漁船で実施されている。
 19年度は冷凍室作業のさらなる効率化に加え、投げ縄作業のうち、はえ縄の幹縄に枝縄を金具で固定する作業の自動化を目指す。1回の漁で3000回行われる手作業で4〜6時間かかる。乗組員が交代で実施する重労働だけに、自動化されれば負担は大きく減る。
 17日はトヨタ東日本の担当者が、マグロ船の元漁労長らに作業を簡易化する機械の試作品を示した。同社TPS推進部異業種研鑽(けんさん)グループの工藤嘉也グループ長は「漁業現場と社内の物づくりの専門家の意見を交えながら、一定の成果を出したい」と話した。
 検討会はトヨタ東日本と協力して試作を重ね、最終的には地元の鉄工所に製作を依頼する。検討会の会長で県北部鰹鮪漁業組合の亀谷寿朗組合長は「冷凍室内の作業で一つ結果が出た。船内の労力を少しでも軽減できるよう、さらに知恵を出し合いたい」と話した。


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2019年05月18日土曜日


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