山形のニュース

政宗の礼状に浮かぶ人柄、相手の心巧みにつかむ 山形・永昌寺所有の書状を研究者ら解読

伊達政宗から茶人の織田有楽斎に宛てた書状

 山形県河北町の永昌寺が所有する、戦国武将の伊達政宗から織田信長の弟で茶人の織田有楽斎に宛てた書状を研究者が解読したところ、礼状だったことが分かった。「雨の中おいでいただき何のお構いもできなかったがゆっくり話ができた」とたわいもない内容だが、東北大の入間田宣夫名誉教授(日本中世史)は「政宗の人柄が読み取れる資料だ」と指摘する。
 書状は掛け軸に貼り付けられたもの。住職の布川c哉(いくや)さん(72)が約20年前、寺で開く茶会用に購入した。政宗から有楽斎宛てとは分かっていたが、内容は不明だった。昨年末に寺を訪れた町郷土史研究会の鈴木勲会長(81)に解読を頼み、内容が判明。1591〜1602年の6月に書かれたと推定されるという。
 入間田名誉教授は2人が交わした書として既に知られる2通と比較。小鳥のセキレイの花押や、流れるような筆遣いから政宗のもので間違いないと裏付けた。
 入間田名誉教授は茶会に招かれた有楽斎が、すぐに礼状を書いたのに対し、政宗が返信したものと分析。書き出しに「すぐに礼状をいただき、かえって心の隔てがあるように思われます」と書いた。「『あなたと私の仲なのだから、他人行儀なことはおやめください』と読み取れる。相手の心をつかむのがうまい。有楽斎は大変喜んだだろう」と読み解く。
 政宗は文化人として知られ、茶や書、連歌などにも精通していたという。布川さんは「戦国の世を生きながら、つかの間の時を優雅に過ごしていたのでは」と思いをはせる。書状を前に「どんな会話や表情をしていたか想像するのが楽しい」。要望があれば、博物館の展示などに貸し出すことも考えているという。


関連ページ: 山形 社会

2019年05月20日月曜日


先頭に戻る