広域のニュース

<東京検分録>自由と合併の国民 結束へ議員の意識変革を

 議論紛糾の末に自由党と合併した国民民主党の足元がおぼつかない。玉木雄一郎代表は結束を強調していたが、自由を率いた小沢一郎氏(衆院岩手3区)に反発する階猛氏(衆院岩手1区)が11日、離党の意向を表明。党の浮沈を左右する参院選が迫る中、一枚岩になれない党の体質を改めて露呈した。
 自由との合併を諮った4月25日の国民の会合は夕方に始まり、終了は翌26日未明までずれ込んだ。決着まで実に6時間半。階氏が再調整を求めた参院選岩手選挙区(改選数1)の野党統一候補擁立を巡る議論が堂々巡りになったからだ。
 階氏ら4人が反対。賛成多数で合併を決めた後、玉木氏は記者会見で「採決で決めたら、それに従う。党に良い文化が育まれてきた」と胸を張った。「話し合いで結束が深まった」とアピールする議員もいた。
 長時間の議論に満足したような雰囲気だけが残り、危機感に欠けていた。2週間後、岩手の問題に固執した階氏は党を離れると表明。玉木氏は合併実現に向け、党内議論を丁寧に進める姿勢を示していたが、皮肉にも亀裂は深まった。「旧民主党では会議の結論さえ出せなかったが、今回は決められた」と党幹部は自嘲気味に話す。
 小沢氏と階氏の確執は、旧民主分裂に端を発した野党の四分五裂の経緯に重なる。東北選出の国民議員は「議論の落としどころが分からないまま迷走した。なぜ一つの選挙区の問題に、ここまで振り回されなければならなかったのか」とあきれた表情を浮かべた。
 旧民主が政権から陥落して約6年半。国民の政党支持率は1%前後をさまよう。立憲民主党に水をあけられ、埋没感は否めない。参院選や次期衆院選に向けては安倍政権への明確な対抗軸を示すのはもちろん、政権の選択肢となるため有権者の信頼を取り戻すという難題が待ち受ける。
 まずは結束に向けた党内ガバナンスの強化を愚直に進めるべきではないか。腰の据わった党運営と「安倍1強」に対抗し得る野党連携の実現には、党首の強い指導力とともに、議員の意識変革が欠かせない。(東京支社・吉江圭介)


関連ページ: 広域 政治・行政

2019年05月20日月曜日


先頭に戻る