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<青森知事選>青森知事選候補者に聞く(下)農家の担い手不足や使用済み核燃料への対応は?

 16日に告示された青森県知事選(6月2日投開票)は、ともに無所属で新人の歯科医佐原若子氏(65)と県政初の5選を目指す現職の三村申吾氏(63)が県内各地で論戦を繰り広げている。人口減少対策をはじめとした県政の重要課題などについて、河北新報社がアンケートで尋ねた両候補の政策や考えを紹介する。

◎深刻な農家の担い手不足への取り組み

<三村氏>
 今後も高齢化により農業従事者の減少が見込まれる中、若い世代に将来性ある職業として農業を選んでもらえるよう、今の県の農業政策をさらに推進する。安全・安心で高品質な県産品を国内外に積極果敢に売り込み、農家の所得向上に全力で取り組む。後継者の就農意欲の喚起や、移住対策の強化などによるUターン就農のほか、新規参入のさらなる促進や就農後のきめ細かな経営支援など、農業後継者確保に向けた施策を強化する。

<佐原氏>
 近年、青森県の農業産出額は東北一。県は安倍農政の地方版「攻めの農林水産業」の成果と強調するが、自由貿易体制に追随し「規模拡大、競争力・輸出力の強化」の推進のみでは一部の企業経営しか残らず、生産減少や離農の増加は避けられない。国連は、今年から「家族農業の10年」と定め、小規模家族農業の支援を決めた。農協の自主的活動の尊重、農家の所得補償、後継希望者への財政支援を行う。

◎観光振興に向けた施策

<三村氏>
 本県観光産業が、国内外から高く評価され、投資を呼び込める産業を目指し、生産性や収益性の向上に取り組み、観光消費額の拡大を図る。自然、食、文化などの多彩な地域資源を生かした観光コンテンツづくり、青森ならではの旅行商品の造成、SNS(会員制交流サイト)などを活用した戦略的な情報発信、観光客が繰り返し訪れたくなる受け入れ環境の整備に取り組む。空路や海路などを組み合わせた「立体観光」を推進し、年間の外国人延べ宿泊者50万人を目指す。

<佐原氏>
 東北新幹線、国際航空便の運航、大型クルーズ客船の寄港により、多数の外国人客が訪れている。人気スポットは奥入瀬渓流、八甲田、弘前城、十和田湖など。本県観光の課題として「稼げる観光地域の構築」が挙げられるが、一番重要なのは何を求めての訪問かを把握し、的確に対応すること。外国人との交流には相互の歴史と文化を理解し合うことが重要。県民も青森の自然文化を再認識できる。

◎使用済み核燃料への対応

<三村氏>
 高レベル放射性廃棄物については、あくまでも一時貯蔵を前提として、原子燃料サイクル施設の立地協力要請を受諾したものであり、貯蔵管理期間終了後に搬出することを事業者との間で取り決めているほか、国から「最終処分地にしない」旨の確約を得ている。県としては、最終処分地の早期選定に向け、国が前面に立って、不退転の決意で取り組みを加速させていただきたいと考えている。

<佐原氏>
 原発・核燃推進の県政から、原発ゼロを目指し、県民の安全に責任を持つ県政への転換を図る。県独自の原発関連施設の検証委員会を立ち上げ、情報公開と開かれた議論によって公論を形成する。県・六ケ所村・使用済燃料再処理機構、三者の「覚書」には「事業の実施が著しく困難となった場合」、「使用済み燃料の施設外への搬出の処置を講ずる」とある。県は国との「最終処分地にしない」の約束を守る責任がある。

◎考え方などで最も影響を受けた人物

<三村氏>
 前大分県知事である、故平松守彦氏。古里をこよなく愛し、地域資源を徹底して見いだし活用する「一村一品運動」を展開する姿を、新潮社の編集者時代に間近で拝見した。「あれがない、これがない」ではなく、それぞれの地域の中から国内外に通用する価値(産品・観光資源・文化・人など)を自ら見いだし、誇りをもって大分のブランディングに取り組む姿勢に感銘を受けた。

<佐原氏>
 アメリカの政治家のバーニー・サンダースさん。混迷する米国政治の中で、過剰に利益を手にするウォール街への課税を訴え、公立大学の学費ゼロ、賃金の引き上げを前進させ、行き過ぎた新自由主義に対する警鐘を鳴らし続けている。イスラエルに対しても、ガザ侵攻を批判するなど、強く共感できる政策を提案し続けている。「新自由主義 対 市民」の構図の中で私たち一般市民の方向性を提示している。今の私にとっては政治の師に当たる。


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2019年05月22日水曜日


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