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秋田版「赤い靴」映画に 来春公開予定、横手で撮影始まる

撮影初日は、人力車に乗ったハリソンが秋田の町に入るシーンを撮った=18日、横手市雄物川町
明徳館の前に立つハツとハリソンが寄り添う「秋田の赤い靴」像=秋田市

 詩人野口雨情が作詞した童謡「赤い靴」。明治の秋田にも、同じように家庭の事情から外国人に引き取られた女の子がいた。後にハワイで教師になった秋田生まれの金子ハツと、育ての親の米国人宣教師ミス・カラ・ハリソン。2人が紡いだ実話を題材に、秋田ゆかりの人々が企画した映画「みちのく秋田 赤い靴の女の子」の撮影が今月18日、横手市雄物川町で始まった。
 関係者は秋田の四季を織り込んだ映像作りを目指し、「究極の愛の物語を風化させてはならない」と意気込む。来春に公開する予定。
 映画は、1887(明治20)年の吹雪の日に起きた不幸な事故から始まる。ハツの母、金子ふじは、刃物を持って暴れる義母を抑えようとして、誤って刃物を夫の連れ子に当ててしまう。ふじは殺人罪に問われ、刑務所でハツを産む。ハツは秋田で布教活動をしていたハリソンの下で育てられた。
 その後、2人は米国に渡った。当時は排日運動が激しく、ハリソンと日系移民の多いハワイで教師として移民の教育に励んだ。ハツは結核にかかり、1922年に34歳の生涯を閉じた。今はハリソンと共にハワイの墓地に眠る。
 統括プロデューサーの大山雅義さん(69)=秋田市出身、東京在住=は今回の映画を「半分ドキュメンタリーで半分ドラマだ」と説明する。「ハリソンが示した無償の愛は、今薄れてきている。秋田の赤い靴の物語は、現在のわれわれに訴えるものがある」と述べる。
 制作委員会には首都圏秋田県人会連合会、在京秋田県高校連合会、NPO法人秋田ふるさと応援団などが名を連ねる。ハワイでの撮影も予定し、制作費3000万円を見込む。委員会は協賛金を募っている。
 大山さんは映画制作会社に入社後、フリーで映像関係の仕事に携わった。2年ほど前、秋田市中央図書館明徳館前に立つハツとハリソンが寄り添う「秋田の赤い靴」像を見つけ、映画化することを発案した。
 脚本・監督はラジオドラマ脚本家の石谷洋子さん(73)=横手市出身、埼玉県在住=。「愚痴を言わずに日系人のために頑張るハツに視点を当てた。秋田の女の子の根性を出したい」と意気込みを語る。


関連ページ: 秋田 文化・暮らし

2019年05月26日日曜日


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