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<気仙沼・伝承館>震災遺構で教訓学ぶ 宮城県外から修学旅行生続々

津波で被災した旧校舎内を見て回る札幌市山鼻中の生徒たち

 気仙沼市が震災遺構の気仙沼向洋高旧校舎を公開するため整備し、3月に開館した「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」に、5月に入って宮城県外から修学旅行生が続々訪れている。東日本大震災の教訓を学ぼうと、今年から訪問先にした学校も。中高生の防災教育の場として重宝されている。
 札幌市山鼻中の3年生92人は24日、修学旅行先として現地を訪れた。震災語り部の話を聞きながら、最上階まで浸水した南校舎や乗用車が折り重なった渡り廊下などを見て回った。
 震災直後にあった階上中卒業式で生徒代表が読む答辞の映像を見て涙を流す生徒もいた。沢田明人さん(14)は「津波の傷跡の生々しさが心に響いた」と語り、竹内凜さん(14)は「想像以上の津波の高さに驚いた」と感想を述べた。
 同校は昨年まで、修学旅行で青森、岩手、秋田3県の観光地を中心に回っていたという。今年は震災の教訓を学ぶために震災遺構ができた気仙沼市を訪れる行程に変更した。
 市来正光教諭(40)は「防災、減災を学ぶと同時に、復興に向かう気仙沼の方々の姿から何かを学んでほしかった」と狙いを話す。
 5月は予定も含めると北海道や千葉県など県外の6中学校から計約600人が震災遺構を訪問した。修学旅行生以外にも古川高2年の生徒たちが被災地視察で訪問したり、埼玉県内の高校の新聞部の生徒が取材に来たりもしている。
 伝承館では今後、地元での震災の記憶の風化を防ぐため県内の中学、高校に訪問を呼び掛ける。地元の階上中や気仙沼向洋高の生徒が市外の生徒と防災教育を通じて交流を深める企画も検討中だ。
 佐藤克美館長は「震災当時のままの状況を知ることができる施設。一人でも多くの中高生に震災の教訓を学んでほしい」と話した。


2019年05月28日火曜日


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