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<旧優生保護法国賠訴訟>違憲判断、肩透かしに 代理人「被害救済につなげたい」

判決後の記者会見で、報道陣の質問に答える新里弁護士=28日午後4時25分ごろ、仙台市内

 「山の8合目まで登って下りてきた印象だ」。旧優生保護法(1948〜96年)下で強制不妊手術を受けた女性2人の国家賠償請求を退けた28日の仙台地裁判決。閉廷後に仙台市内で記者会見した原告の代理人らは旧法の違憲性を認めた点を評価しつつ、「結果が大事。違憲判断を通過点として被害救済につなげたい」と次なる闘いを見据えた。
 原告弁護団長の新里宏二弁護士(仙台弁護士会)は旧法が憲法13条に違反するなどとした地裁の判断に触れ「勝ち筋の判決だと思った。(控訴審では)さらに事実を積み重ね、努力をしろと求められた」と前向きに受け止めた。
 原告側が主張した国の賠償責任は認められず「肩透かしだ。登山は残り2合が大変だが、裁判所のようにUターンせずに進みたい」と述べた。
 「根強く残る優生思想が正しく克服され、新たな令和の時代には何びとも差別なく幸福を追求できる社会となり得るように」とする裁判長の付言については「一定の思いを込めたのかもしれないが、私たちは優生思想を克服するために、美辞麗句ではなく闘い続けなければいけない」と強調した。
 「どんな時代であっても差別のない社会にするのは当たり前。裁判長は賠償請求を認めた上で、付言するべきだ」。原告の60代女性の義姉も、判決に疑問を呈した。
 4月に成立した救済法に基づく一時金の申請は東北では進んでいない。
 義姉は「被害者は体、心、家族を痛めつけられた。件数が少ないのは痛みの重さが理由だ」と指摘。旧法に対する違憲判断を踏まえ「被害者や家族が『自分は間違っていなかった』と安心できる。声を上げてほしい」と訴えた。


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2019年05月29日水曜日


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