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<Eパーソン>「価値創造」を前面に 岩手銀行・田口幸雄頭取

[たぐち・さちお]東北大卒。1977年入行。2003年個人営業部長、09年取締役東京営業部長、10年常務を経て14年6月から現職。65歳。二戸市出身。

 岩手銀行(盛岡市)が販路拡大など取引先を支える取り組みを打ち出している。6月に旧本店の「赤レンガ館」で初開催する岩手の伝統工芸品展示会もその一つ。日銀のマイナス金利政策で資金利益の縮小が続く中「共通価値の創造」を掲げて収益増加を図る。田口幸雄頭取に聞いた。(聞き手は盛岡総局・江川史織)
 −銀行が伝統工芸品展を企画する。
 「岩手県の宿泊者数は年間590万人で、うち外国人旅行者は24万人にすぎない。改めて仙台圏など国内市場に目を向けたいと考えた。地元企業の販路の拡大を手助けするのは、銀行本来の役割だ」
 −具体的には。
 「南部鉄器、ホームスパンなど岩手を代表する工芸品を、年4回展示する。二戸市の浄法寺漆の杯は色合いが美しく、口に当てたときのなじみも良い。同時に会場となる赤レンガ館の重厚な雰囲気も味わってほしい」
 −新経営計画にも関係しているのか。
 「2019〜23年度の経営計画は、テーマに『共通価値の創造』を掲げた。地域のニーズや課題に向き合い、解決することで地域の共通価値をつくり、経済価値を高めていく」
 −18年度決算は増収減益だった。
 「貸倒引当金など与信費用が増えた。背景には東日本大震災後の販路縮小や人材不足による県内の倒産リスクの高まりがある。国内総生産や物価といった数字上で景気は良くなっても、中小企業の実感は違う」
 「当行も店舗の統廃合でコストを削減して営業体制を強化し、中小企業への貸し出しを進める。地域に根差した銀行としてお客さまの求めているものをじっくり聞き、提案していく」
 −青森銀(青森市)と秋田銀(秋田市)、山梨中央銀(甲府市)と、振り込み明細受付書などが閲覧できるウェブサイトを開設した。
 「これまでお客さまは金融機関ごとにログインする必要があった。これを一つのパスワードで複数の金融機関と取引の管理ができるようにした。東北や全国に拠点を置く企業の作業効率化が期待できる」
 「金融機関にとってはペーパーレス化で郵送費を削減できるほか、サービスを共同で提供すればシステム運営費の削減にもなる。他の金融機関にも参加してもらい、サービス拡充を図りたい」


関連ページ: 岩手 経済

2019年05月29日水曜日


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