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帰還者の安全守る 福島・大熊の臨時駐在所が始動

帰還者の家を訪ね、要望などを聞く佐伯駐在員=29日、福島県大熊町大川原地区

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が一部解除された福島県大熊町に29日、双葉署の臨時駐在所が開所した。第1原発が立地する自治体で、駐在所が業務を再開するのは事故後初めて。
 開所式で、福島県警の向山喜浩本部長は「町の安全安心を目に見える形で守り、住民の帰還と町の復興を少しでも後押ししたい」と話した。
 渡辺利綱町長は「復興の加速に伴い交通、防犯面の懸念が増している。駐在所設置は復興への大きな一歩だ」と語った。
 駐在所は、4月まで町役場連絡事務所があった大川原地区の建物に入る。駐在員1人が日勤し、空き巣など犯罪の取り締まりや日頃のパトロール、住民の要望把握などに努める。
 原発事故前の大熊駐在所はJR大野駅前の帰還困難区域に立地し、休止中。

◎「不安一つずつ解消」 佐伯駐在員は初日から巡回

 29日開所した双葉暑大熊臨時駐在所の駐在員は、同署地域交通課の佐伯哲(さとる)巡査長(40)が務める。初日から早速、帰還住民を1軒ずつ回り「何か困ったことはありませんか」と尋ねた。
 佐伯駐在員はいわき東署勤務中に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に遭い、遺体捜索などの現場を経験した。警察業務を温かく支えてくれた地域住民に応えたいと最前線での職務を志願し、認められた。
 町は6月1日に災害公営住宅の入居開始を控える。佐伯駐在員は「安堵(あんど)と不安の中で住民が帰還する。同じ視線で、不安を一つずつ解消していける駐在員になりたい」と語る。
 いわき市に避難し、お盆前の帰還を予定する渡辺通子さん(82)は「知らない人もたくさん町に入っていて、不安もある。本当に安心でき、ありがたい」と話した。


2019年05月30日木曜日


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