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若手就農 手厚く支援 鶴岡市が奨学金や独自の農機具購入補助 来春には育成学校開校

鶴岡市内の営農風景。市は若手就農者の育成を本格化させている

 山形県鶴岡市が農家の減少に危機感を強め、若手就農者の育成に本腰を入れ始めた。国などの補助対象から外れるような小規模事業を支援するほか、来春には育成学校も設立する。同市の農業産出額は東北の自治体で3位。日本唯一の国連教育科学文化機関(ユネスコ)認定の食文化創造都市として、食を支える農業の担い手を増やす考えだ。
 市は本年度、新規就農者や親元にUターンして農業を始める若者に特化した新たな補助制度を設けた。先進的な農家で研修した場合に返還不要の奨学金を支給したり、国や山形県が対象としない小型の農機具、設備購入を支援したりする。
 市農政課は「中小農家でも安心して就農できる環境を整えたい。現場の要望に応え、きめ細かい制度設計を心掛けた」と説明する。
 来年4月には市内に市立農業経営者育成学校(SEADS)も開校する。首都圏などから毎年17人程度の若者が入学し、共同生活で2年間の農業研修を受けた後、市内で農家として独り立ちする仕組みだ。
 市やまちづくり会社「ヤマガタデザイン」、山形大農学部、鶴岡農協(いずれも鶴岡市)が連携して運営する。卒業生が農家の後継者不足に悩む地域に入り、指導的な役割の一端を担うことも期待している。
 市によると、普段仕事として自営農業に関わる「基幹的農業従事者」は2015年に市内で5453人。10〜15年に年平均約140人減少した。
 一方、市内の新規就農者は県の調査で14〜18年に年平均24人にとどまる。「小規模農家などが引退していく中、既存の農家が経営規模を拡大してカバーしているが、いずれは抱え切れなくなる」(市農政課)のが現状だ。
 ユネスコによる食文化創造都市の認定は、食に関する創造的な地域産業の振興と文化の多様性保護が目的。鶴岡市は幅広い取り組みが評価されて14年に認められた。皆川治市長は「食文化創造都市を支える農業は重要分野だ。市独自の就農支援を手厚くし、この先も成長させたい」と強調する。
 農林水産省によると、17年の鶴岡市の農業産出額は312億円で全国の市町村で27位。東北では409億円の弘前市、326億円の登米市に次いで3位。


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2019年05月31日金曜日


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