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岩手県と盛岡市、主催イベント相次ぐ 選挙前に高まる現職露出度

1日開幕の「三陸防災復興プロジェクト」告知ボード=岩手県庁
市制施行130周年をPRする横断幕=盛岡市役所

 東日本大震災で被災した岩手県沿岸部を会場に1日、達増拓也知事(54)肝いりの博覧会「三陸防災復興プロジェクト」が開幕する。市制施行130周年の盛岡市も、夏から秋にかけては記念行事がめじろ押し。夏に首長選を控える県、市で現職の露出度は高まる一方だ。

 県などが主催する博覧会は、沿岸13市町村を会場に8月7日まで68日間の長丁場となる。4億6000万円を投じ、坂本龍一さんのコンサートや一流シェフによる三陸の食材を使った創作料理の披露などがある。
 実行委員会には各種団体の代表が居並び、さながら「オール岩手」の趣だ。
 知事選は博覧会閉幕後の同22日に告示される。現在3期目の達増氏は態度を明らかにしていないが、開幕式典などへの出席を予定しており、有権者にアピールする絶好の機会となる。
 2月定例県議会では「知事の任期中に開催する必要はない」と議員が詰め寄る場面も。達増氏の県政運営に批判的な自民党の県連幹部は「現職は公務を選挙に使えるのか」とぼやいた。
 県の事務方は「3月に三陸鉄道リアス線が全線開業し、9月には釜石も会場となるラグビーワールドカップ日本大会が開幕する。その間をつなぎ、切れ目なく沿岸部に足を運んでもらうため、この時期の開催になった」と説明する。
 一方、市制施行130周年を盛り上げたい盛岡市。事業費は1億1475万円で、120周年の6258万円からほぼ倍増した。
 目玉は、東北の県庁所在市で初となるフルマラソン大会「いわて盛岡シティマラソン」(10月27日)だ。1万人のランナーが市内の名所を駆け抜ける。5選立候補を表明した谷藤裕明市長(69)の後援会報も大会開催を4期目の実績と明記。市内全13万世帯に配布した。
 市長選は8月18日告示。直前の同4日には、やはり記念事業の「盛岡国際俳句大会」が開かれる。俳句ブームの仕掛け人で俳人の夏井いつきさんをゲストに、国内外から多数の参加を見込む。
 市文化国際室は「外国人にも参加してもらうため、8月1〜4日の盛岡さんさ踊りに開催を合わせた。市長選の準備と重なって大変だが、仕方ない」と説明する。
 「県外や海外からの参加で経済効果も期待できる」と記念事業の意義を強調する谷藤氏。市長選に立候補予定の新人は「イベントは現職に有利に働く。だが、その先に何があるのか」と対決色を鮮明にした。

◎知事「三陸防災誓う」博覧会きょう開幕

 達増拓也岩手県知事は31日の定例記者会見で、1日開幕の博覧会「三陸防災復興プロジェクト」について「(東日本大震災で被災した)沿岸被災地は世界的な防災学習や調査研究の場。国際社会が防災を誓い合う機会としたい」と述べた。
 三陸鉄道リアス線の開業を挙げ「早い段階で使ってもらい、便利さを感じてほしい」とPRし「自然の神秘さや食べ物のおいしさを紹介し、交流人口の拡大につなげたい」と話した。
 旧優生保護法(1948〜96年)下の強制不妊手術を巡り、被害者に支払われる一時金の申請状況に関し「(岩手は)まだ制度が浸透していない。権利救済を確保する体制を県として整えたい」との考えを示した。


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2019年06月01日土曜日


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