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<聖火リレー>復興へ思いつなぐ コースは沿岸部に特化

県内の聖火リレー初日のセレブレーション会場となるJR女川駅前

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、大会組織委員会が1日発表した宮城県内の聖火リレーコースは、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた沿岸部に特化した。同じ被災地の岩手、福島両県が内陸部を含むルートを設定したのとは対照的で、「復興五輪」の理念を強く打ち出した形だ。関係者は「被災地への思いを多くの人と共有できるリレーにしたい」と誓う。
 ルート選定に際し県は全35市町村を集めた会議を18年8月に開催。協議の結果、「復興五輪の理念を体現する」とのテーマの下、激しい津波被害に遭った沿岸の15市町を通過させる基本方針を決めた。
 五輪ホストタウンの蔵王町など内陸の一部の自治体からは「何らかの形でルートに入れないか」との声もあった。県は内陸部を組み込むことも検討したが、海岸沿いから迂回(うかい)すると複数の沿岸自治体をコースから外さざるを得ず、「苦渋の決断をした」(担当者)という。
 沿岸部を軸としたコースにしたことで、県は(1)リレーを間近で見る被災住民の心の再生(2)被災地の復興状況の発信−などを期待する。震災前に比べて観光客数が10分の1程度に激減した沿岸部への経済的な波及効果も狙う。
 県オリンピック・パラリンピック大会推進課の担当者は「被災地で汗を流した元ボランティアが再訪して住民と交流するなどさまざまな物語が生まれると思う。『沿岸リレーで良かった』と多くの人に思ってもらえるよう着実に準備を進めたい」と話した。


2019年06月02日日曜日


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