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<まちかどエッセー・若蝸_美>好きだけど、食べられない

若蝸_美

 好きな物を食べ過ぎて飽きてしまうタイプだ。父の晩酌のおつまみに出ていたレーズンバター(残った分をもらっていた)、塾帰りに食べていた菓子パンのアップルパイ(晩ご飯代わりだった)、長期出張時のお昼ご飯だったアメリカンドッグ(時間がなくてこればっかりだった)。この三つは、今でも食べられない。
 それとは別に「食べ過ぎた結果、体が受け付けなくなった」。つまり「好きだけど、食べられない」ものがある。バラ科の果物と南国系のフルーツがそれに当たる。
 バラ科の果物は、皆さんが思うよりもたくさんある。イチゴ、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、ビワ。東北で採れる季節の果物のほとんどが対象。あとは、サクラもバラ科なので、お花見ができない。幸いなことに花粉症は持っていないが、春先、サクラの近くに長く滞在すると、目がしょぼしょぼして、頭痛と呼吸の苦しさが出る。
 バラに関して言えば、ローズエキス配合の化粧品を使い、ローズウオーターを飲んでおり、過剰摂取の可能性は高い。南国系のフルーツは、朝ごはんにバナナミルクやアボカドミルクを家で作って常飲していたので、これも過剰摂取かもしれない。
 リンゴは高確率でさまざまな加工食品に入っている。自然な甘さを足すのにちょうどいいらしい。7年前の発症時に比べると、アレルギー表示を明確にしている商品が多いので、今はだいぶ楽になった。それだけ必要としている人が多いということでもある。
 突然、好きなものが食べられなくなる。ショートケーキのイチゴ1個でも、首や頭皮にじんましんが出る。症状は体調の良しあしによるが、家族や親しい人には、食事選びの時に面倒をかけているなと思って申し訳なくなる。発症当初に「他のおいしいものを探そうよ」とメールをくれた母には、とても感謝している。
 皆さんの周りで「●●が食べられない」という方がいたら、単なる好き嫌いではない可能性もあるかな、って頭の片隅で思っていただけるとうれしい。好きだけど食べられない、という場合も往々にしてあるんですよね。
(朗読ユニット100グラード主宰)


2019年06月03日月曜日


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