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<青森知事選>三村氏、多選是非より実績評価 原子力政策論争は低調

 青森県知事選は、自民党県連と公明党の推薦を受けた現職の三村申吾氏(63)が、新人の歯科医佐原若子氏(65)を破り、県政史上初の5選を決めた。争点の一つとみられた多選の是非よりも、4期16年の実績が評価されたと言える。ただ、原子力政策の論争は低調に終わるなど、有権者の関心は最後まで高まらなかった。
 三村氏は多選批判への反論を避け、行財政改革といった実績を前面に押し出した。実際、農林水産業の活性化や観光振興など成果が見られる分野も多く、行政手腕への評価は高い。
 全国では現在、5期以上務める知事は4人しかいない。県内では1995年の知事選で、当時78歳の北村正哉氏(故人)が5選を阻まれている。今回はそれほど高齢でなかったことも、多選批判の声が大きくならなかった一因だろう。
 過去4回の知事選と同様、自民、公明両党の強力な後ろ盾を得て、県内の大半の首長や130以上の団体からの支援を取り付けるなど支持基盤も盤石だった。一方で、関連施設を多数抱える県内の原子力政策については、両候補者とも主張に具体性を欠いた。
 原発ゼロを訴えた佐原氏は、関連事業が県内の経済と雇用の一部を支えている実態を考慮した代替案を提示できなかった。対する三村氏は原子力政策に触れる機会はあまりなく、是非論に踏み込むことを回避した。議論はかみ合わず、大きな争点とはならなかった。
 県政には人口減少対策をはじめ、農家の担い手確保や医師不足、先行きが不透明な核燃料サイクル事業への対応など、さまざまな課題がある。5期目ともなれば、県民から三村氏に注がれる目も一層厳しくなる。これまで以上に実効性のある施策が求められる。(解説=青森総局・茂木直人)


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2019年06月03日月曜日


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