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<鳴動 参院選東北>(下)試される共闘 野党そろわぬ足並み

国会内であった野党の党首会談を背景に、野党統一候補に拍手を送る支持者(左上)と野党各党ののぼり旗のコラージュ

 共闘路線にかじを切った野党第1党が、再結集を呼び掛けた。
 「今の政治の暴走を止めないと前に進めない。5党派、市民で力を発揮できるよう頑張りたい」
 仙台市青葉区で1日夜、野党を支援する市民団体が開いた決起集会に立憲民主党代表枝野幸男が飛び入り参加した。党公認で宮城選挙区の野党統一候補に前日決まった新人石垣のり子(44)、共産党が候補を取り下げた元仙台市議も出席。手を取り合い、結束を強調した。

■「主役」姿なく
 立民は当初、共闘に懐疑的だった。枝野も「考え方が違うのに、自民党に対抗するため無理やり大きくなろうとしてきた」と党同士の合従連衡を拒んできた。
 事態は風雲急を告げる。首相安倍晋三が衆参同日選に踏み切るのではないかとの臆測が消えない。
 立民を含む野党5会派は5月29日の党首会談で宮城など19選挙区で候補者の一本化に合意。以前に決まっていた11選挙区と合わせ計30選挙区で共闘の道を選び、安倍1強に抗する。
 決起集会の会場に3年前の「主役」の姿はなかった。前回自民現職との一騎打ちを制し、「共闘の象徴」とされた国民民主党県連代表桜井充だ。県連の方針は未定。旧民進党の分裂でたもとを分かった立民、国民両党の微妙な関係性を映し出した。
 野党関係者は「桜井は共闘で戦った。また一緒に戦ってくれると信じたい」と願う。

■耳を疑う言葉
 宮城などに先駆けて一本化が決まった福島選挙区。表向き足並みはそろったものの、政策を巡る各党の思惑は交錯する。
 「これ以上は原発に踏み込まなくていい」。福島市で5月10日にあった立民、国民、社民の各党県連などでつくる「5者協議会」の会合。国民の県議が放った言葉に一同、耳を疑った。
 5者協は無所属新人水野さち子(57)の擁立を決め、共産との協議に入っていた。各党が「原発ゼロ」に合意することは、共闘の事実上の条件だった。
 県議は東北電力総連の組織内候補。出身母体の懸念を代弁した形だが、他党の関係者は「原発には触れるなと言いたいのだろう」と冷ややか。寄り合い所帯の難しさが露呈した。
 岩手では主導権争いの火種がくすぶり続ける。
 自由党代表だった小沢一郎(衆院岩手3区)が主導した岩手選挙区の統一候補選定に反発した国民県連代表代行の階猛(岩手1区)が5月29日、離党した。
 「今は目先の選挙ではなく、次の世代のことを考えて活動したい」。5月中旬、盛岡市であった国政報告会の後、階は報道陣に今後の展望をこう語っていたが、参院選の対応は「白紙」と言葉少なだった。
 東北で国会議員経験者が野党候補の5人を占めた前回から一転、新人6人で挑む政治決戦が目前に迫る。四分五裂となった野党勢力。塊の軸を失った共闘の真贋(しんがん)が問われる。(敬称略)


2019年06月03日月曜日


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