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「浜のお母さん」奮起 サケの中骨缶8年ぶり復活

中骨缶詰販売の本格再開をPRする小野寺さん(左)と早野さん

 岩手県田野畑村の特産品が8年の歳月を経て復活することになった。田野畑村漁協の浜岩泉浦女性部が7月、「鮭(さけ)の中骨水煮缶詰」の販売を本格再開する。東日本大震災で作業場が全壊し、製造休止に追い込まれた。震災で疲弊した地域を盛り上げようと「浜のお母さん」が奮起した。

 島越地区コミュニティーセンター。浜岩泉浦女性部長の早野くみ子さん(63)と小野寺しげ子さん(67)が手際よくサケを三枚におろし、中骨を水煮にしていった。
 「先輩たちが頑張って積み上げた成果を私たちの代で絶やすわけにはいかない」と早野さんは語る。昨年6月、試験的に製造を始め、限定販売してきた。
 浜岩泉浦女性部は1987年、地元に水揚げされたサケを有効利用しようと中骨缶詰の製造を始めた。カルシウムなど栄養価が高く、健康ブームに乗ってサケ加工食品の代表格に成長した。
 しかし、津波で作業場は全壊。被災した部員の住まいはばらばらになり、高齢化も進んで再開のめどは立たなかった。一方で浜の名物を継承したいとみんなが願っていた。
 転機は2015年に訪れた。村が三陸鉄道島越駅前に再建したコミュニティセンターの調理室に缶詰製造設備を整備したことで復活への機運が高まった。
 最盛期には30〜40人が携わっていた缶詰製造だが、現在は10人程度で1日に50缶作るのが精いっぱいだ。小野寺さんは「村を元気にしたい。多くの皆さんに味わってほしい」と意気込む。
 ラベルには太陽をあしらった復刻版のほか、新たに村の景勝地・北山崎をデザインした。1缶180グラム入りで350円となる見込み。連絡先は田野畑村漁協浜岩泉浦女性部0194(33)2115。


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2019年06月04日火曜日


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