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支配層の男性は渡来系 喜多方・灰塚山古墳出土 歯や骨格から全身像を復元

復元された会津地方の支配者のイメージ(東北学院大提供)

 東北学院大文学部の辻秀人教授(考古学)の研究グループは、古墳時代中期(5世紀ごろ)に会津地方を支配した男性の歯から抽出したDNAと全身の骨格から生前の全身像を復元した。男性の姿は現代人に近く、当時の支配層の変遷を知る手掛かりになりそうだ。
 人骨は2017年、辻教授が調査した喜多方市の前方後円墳「灰塚山古墳」の石棺から全身がほぼ完全な状態で見つかった。酸性土壌の国内で、1500年を経過した人骨が見つかるのは珍しいという。
 辻教授はミトコンドリアDNA解析を行う安達登・山梨大教授らに調査を依頼、全身像を復元した。
 男性は身長158センチで、きゃしゃな体形。比較的面長で、鼻の付け根が平らな渡来系の顔つきだった。脊椎に癒着があり、腰痛に悩まされていたことがうかがえた。死亡推定年齢は50代後半。歯のすり減り具合から、固い物は食べていなかった。人骨内の炭素と窒素量からコメのほか、川魚を食べたとみられる。
 辻教授によると、会津地方は、能登半島などを経由してきた渡来系の集団が、大和朝廷の政治的な後ろ盾を得ながら支配していたとみられる。辻教授は「前方後円墳の建設はその現れ。今後の詳細な調査を通じて、縄文人との支配者層の変遷を探りたい」と話した。

 復元像と調査結果は、8日から7月20日まで仙台市青葉区の東北学院大博物館で開かれる開館10周年特別展で公開される。6月8日午後1時から同大土樋キャンパスホーイ記念館で記念シンポジウムもある。連絡先は同大博物館022(264)6920。


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2019年06月04日火曜日


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