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<青森県知事選>5選の明暗(下) 野党 そろわぬ足並み、「反原発」抑制は不発

落選が濃厚になり、敗戦の弁を述べる佐原氏(左)と大竹選対本部長

 投開票が行われた2日。投票終了の午後8時、現職三村申吾氏(63)の当選確実のニュース速報がテレビに映し出された。早い知らせに、新人佐原若子氏(65)の選挙事務所は重い空気に包まれた。
 程なく姿を見せた佐原氏は「残念な結果。(選挙期間が)あと1週間あれば、もっと支持を広げることができた」と唇をかんだ。

<現職有利の選挙>
 佐原氏が立候補を表明したのは4月20日だった。三村氏から遅れること約5カ月。告示までは1カ月を切っていた。現職が有利と言われる選挙戦で、出遅れは最後まで響いた。
 大竹進選対本部長は選挙戦最終日の1日、「相手候補の背中は捉えている」と自信を見せた。だが支援した社民党県連の幹部は「1カ月で各党との共闘態勢をつくり、支持を広げるのは難しい」と嘆いていた。
 出遅れを挽回するため、佐原氏陣営が目指したのは「野党共闘」の実現だった。与野党対決を前面に押し出すことで、自民党県連と公明党が推薦する現職に競り勝つ青写真を描いた。
 共闘の鍵となった原子力政策に関し、佐原氏は「脱原発に向けた県独自の検証委員会を作り、議論を深める」と強調。大竹本部長が原発反対を公約に掲げて出馬した前回選挙(2015年)より、トーンを抑えた。
 戦略は奏功したかに見えた。立憲民主、国民、共産、社民の全野党が支援を表明。三村氏が出馬した知事選では最も与野党対決の色合いが濃い選挙となった。

<立民「自主投票」>
 しかし、足並みはそろわなかった。「推薦並みの支援」と位置付け、積極関与した共産、社民両党。対する立民、国民両党の支援は消極的だった。
 立民は「それぞれの判断で応援する」という事実上の「自主投票」。国民は田名部匡代県連代表が応援演説に入ったものの、「共産色が強い候補の応援に肩入れできない」との立場をとった幹部もいた。
 社民県連幹部は「野党が一つにまとまって応援したというよりは、各党が個別に活動した。それではだめだ」と漏らす。完全な野党共闘とはならなかった。
 佐原氏の得票率は24%で、前回の大竹氏とほぼ同じだった。支援した野党県議は「野党共闘が結果に結び付かなかった。反省点もあり、共闘を構築する上での教訓になった」と語った。


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2019年06月05日水曜日


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