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文化財を学芸員が無断で切り取り 岩手県立博物館「説明不足」謝罪

無断で一部が切除され、樹脂で修復された白鳥舘遺跡(奥州市)出土の鉄製やじり

 岩手県立博物館(盛岡市)は5日、東日本各地の遺跡から出土し、市町村などから預かっていた文化財の一部を学芸員が無断で切り取っていたと発表した。博物館は保存処理のため出土品の状態を調べたとしており、「市町村への説明が不足していた」と謝罪した。
 無断で切除されたのは、奥州市の白鳥舘遺跡など県内5遺跡から出土した平安時代の鉄器、農機具など。全て金属製品で少なくとも約60点に上るとみられる。
 赤沼英男上席専門学芸員(61)の研究チームが関わっていた。7〜8ミリ四方の切片を採取して保存処理し、切り取った部分を樹脂で修復して返却していた。
 記者会見で赤沼学芸員はサンプル採取は学術的に認められた手段と強調する一方、「コミュニケーション不足で市町村への説明が不十分だった」と話した。
 博物館では2014年8月に無断切除が判明していた。関係する学芸員を文書による訓告処分としたが、懲戒処分ではないため公表しなかったとしている。
 奥州市が13〜14年に保存処理を依頼した白鳥舘遺跡の出土品は、少なくとも6点が無断切除されていた。
 市教委は「非常に残念。どれほどの出土品が被害に遭ったのか説明を求めたい」と憤慨。「サンプルを採取するだけなら、目立たない所を小さい範囲で切除すれば済むはずだ」と博物館の対応を批判した。


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2019年06月06日木曜日


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