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福島・富岡の農業復興支援へ一歩、東京農工大生らが田植え

渡辺さん(左から3人目)の水田で田植えを手伝う東京農工大の学生ら

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県富岡町の農業復興を後押ししようと、東京農工大の学生4人が5月30日、町内の水田で田植えを手伝った。有機栽培で育てた飼料用米の苗を約1.2ヘクタールの水田に植えた。
 町と同大は今年1月、農業復興に向けた包括連携協定を締結。2017年春に町内でコメ栽培を再開した渡辺伸さん(58)の水田を借り、県オリジナル米「天のつぶ」などの有機栽培に取り組む。
 避難先から通って営農する生産者が多い現状に合わせ、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)を活用した遠隔の水管理システムなどの技術も取り入れる。
 避難先のいわき市から通う渡辺さんは「町内での営農再開にはまだまだ課題が多い中で、若い人が関わってくれるのはとてもうれしい」と喜んだ。
 昨年7月から実証栽培用の農地で緑肥作物を栽培するなど地力回復に努めてきた同大大学院の大川泰一郎教授(54)は「先進的な有機栽培に取り組み、できるだけ労力の少ない農業を確立したい」と話した。
 田植えに参加した土壌学研究室修士2年の光田侑子さん(23)は「除染によって有機物が減ってしまった土で、どう生産性を上げていくかが課題。生産者と共同で町の農業を復興させたい」と語った。今後も月1回程度通い、稲の生育状況を調べたり土壌のサンプリングをしたりする予定。
 町の避難指示は17年春に帰還困難区域を除き解除された。1日現在の町内居住者は1010人。今年は農家6戸と1団体が計約16ヘクタールでコメを栽培している。


2019年06月06日木曜日


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