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腎移植45年 大崎の書道家・加納さん、月末から個展「社会復帰果たせる」

臓器移植への理解を広めようと、筆を振るう加納さん=大崎市岩出山の自宅

 「移植手術を受けても、社会で元気に活躍できると知ってもらいたい」。河北書道展企画会議議長の書道家加納鳴鳳(本名・雅弘)さん(65)=宮城県大崎市=が、月末に始まる個展の準備を進めている。長年の病を乗り越えようと、腎臓移植手術を受けて45年。市民に臓器移植への理解が広まるよう、願いを込めて筆を振るう。

 加納さんは、3歳の時にネフローゼ症候群を発症した。東北高時代には選抜高校野球出場を経験。20歳の時、進学した早稲田大で野球部の練習中に、慢性腎不全で倒れた。人工透析治療を経た1974年2月、母ミネ子さん(故人)がドナーとなり、東北大病院で21例目の生体腎臓移植手術を受けた。
 体調が回復した加納さんは、書道に打ち込み、91年から2年連続で日展の漢字部門で入選。父親から引き継いだ書道教室で後進の指導に当たるほか、県芸術協会運営委員を務めるなど、現在も多方面で活躍している。
 東北大病院によると、65年12月〜2018年12月に同病院で行われた腎臓移植手術は113例で、年平均2例程度の実施にとどまる。移植後45年以上生存している腎臓病患者は東北では加納さんだけだ。
 加納さんは「透析治療も進歩しているが、実施後の5年生存率は移植の方が高い。移植によって社会復帰を果たし、元気に暮らす人がいることを多くの人に知ってもらいたい」と話す。
 個展では、新作約60点を展示する。注目は、江戸時代の漢詩人、菅茶山の七言絶句。病床の作者が、酷暑の中昔を思い出して作った漢詩で、縦約240センチ、横約60センチの大作だ。

 場所と日程は以下の通り。
 【大崎】大崎市民ギャラリー「緒絶の館」。27〜30日、午前10時〜午後5時。
 【石巻】三陸河北新報社かほくホール。8月17〜20日、午前10時〜午後5時。
 【仙台】せんだいメディアテーク6階。20年1月24〜29日、午前10時〜午後6時。


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2019年06月07日金曜日


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