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地球に優しい町内会 資源ごみ集め公民館運営、10年間で収益295万円

自宅敷地内の集積所に積み上げられた空き缶と柴田さん

 岩手県一戸町鳥越の川原田町内会が、資源ごみの回収で資金を稼ぎ、世帯負担ゼロの公民館運営を続けている。10年間に集めた資源ごみは割り箸の袋から壊れたトラクターまで計244トン。収益は累計295万円に達した。集落挙げての取り組みで地球に優しい町内会活動を実践する。

 住民116人、高齢化率40.5%の川原田町内会に念願の公民館ができたのは2008年。消防団の屯所を間借りしてきた町内会にとって「げた履きで気軽に入れる公民館」(地区住民)は長年の夢だった。
 一方で公民館の運営には電気、ガス、水道料金で年間20万円がかかる。1世帯当たりの負担金は年間5000円と試算した。
 「1人暮らしの食費3日分ほどになる。年金暮らしのお年寄りには負担できない」と町内会長柴田三男さん(75)。思案が続いた。
 事態を打開したのは、ある日公民館で開かれた住民セミナーだった。町水環境課の職員が、こう呼び掛けた。「混ぜればごみ、分ければ資源、ですよ」
 柴田さんは、資源ごみを廃品回収業者に販売すれば公民館の運営資金を確保できるのではないかと発案して09年、自宅の敷地に古紙や空き缶の回収ボックスを設置した。
 1キロ当たりの売り渡し価格は古紙1円、瓶類5円、アルミ類30円など。取り組み初年の09年度は計3トンを回収し、3万5000円の収益を得た。
 「カレーの空き箱や割り箸の袋も古紙になる。各家庭には資源がたくさん眠っている」と町内会の広報紙が情報発信。集積所に持参できない高齢世帯は軽トラックで巡回し、農家が処分に困っている壊れたトラクターや草刈り機も鉄くずとして回収する。
 町には資源ごみを集めた集落に1キロ当たり5円を補助する制度がある。さらに計10円を上限として花壇の植え替え、防災訓練などに参加すると、その都度1円が加算される。川原田町内会は行事への積極参加で補助を満額獲得してきた。
 こうして確保した資金で公民館にはあずまやを整備し、昨年度は風力発電所などを見学するバス旅行も開催した。公民館の図書コーナーに並ぶ本は全部、古紙回収の副産物という。
 柴田さんは言う。「ちりも積もれば宝の山。知恵を絞って汗をかくことが大切だ」


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2019年06月07日金曜日


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