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障害者らが洗濯代行や弁当配達 地域支える福祉施設、高齢者らに好評

洗濯代行サービスの作業スペースで開いたイベントで、参加者と触れ合う木村さん(中央)

 秋田県鹿角市の社会福祉法人「愛生会」が特別養護老人ホーム(特養)の大型洗濯機や調理場などを生かした暮らしのサービス事業に取り組んでいる。障害者の就労継続支援として洗濯代行や弁当配達を展開し、子育て世代や高齢者の生活を支えている。

 洗濯代行サービスの事業名は「BioBento’s Laundry Service(ビオベンツランドリーサービス)」。洗って乾かし畳むまでの作業を引き受ける。障害者の就労継続支援B型事業所を開設し、2018年に運営を始めた。
 利用者は、60リットル分の衣服が入る専用バッグに洗濯物を詰め放題で、1回1000円でサービスを利用できる。事業所への持ち込み以外に、戸別の回収や配達も行う。昨年の利用者は約1100人。育児中の主婦層が中心だった。
 地域の若い世代は共働きが多く、仕事の合間にコインランドリーに足を運ぶ人もいる。こうした状況を踏まえ、特養の洗濯施設を地域に開放するとともに、障害者の社会参加の機会も創出しようと洗濯代行を始めた。
 クリーニングは作業工程が比較的簡潔で、性格や就労意欲などに合わせた個別の就労計画を作成しやすいという。就労希望者や保護者と面談を重ね、無理なく働ける環境を整える。地道な支援が実り、就労継続支援を受ける障害者1人が職員として採用された。
 「住民の生活を支えているという実感が就労意欲を上げてくれる」と法人本部CCO(最高広報責任者)の木村芳兼さん(40)。3人のスタッフから職場での心構えなどを学び、店頭で交わす客との会話も自立への小さな一歩を後押しする。
 移動手段が限られる高齢者ら向けに弁当の配達事業も展開している。保育園や特養の食事を作る栄養士が考案した日替わり健康メニューが好評を得ている。
 愛生会は福祉施設ならではの可能性に着目し、過疎地域が抱える課題解消に生かそうと模索を重ねる。木村さんは「地方で暮らす生活に新しい価値を生み出したい」と語る。


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2019年06月07日金曜日


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