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<福島廃炉への道>「メガフロート」移動に着手

当初の役割を終えたメガフロート

◎5月1日〜31日

7日  東京電力が第1原発港湾内に係留中の人工浮島「メガフロート」の移動工事に着手した。16日までに5、6号機前から650メートル南の3、4号機前に移した。
9日  1、2号機共通排気筒(高さ120メートル)の上部解体工事を20日にも着手すると発表した。
11日  原子力規制委員会の更田豊志委員長が構内を視察。報道各社の取材に「良好な作業環境を整えてほしい」と語った。
13日  2号機で溶融核燃料(デブリ)を冷やしている原子炉注水を一時的に停止する試験を始めた。毎時3トンの注水量を7時間半止めて温度変化を調べた。原子炉圧力容器の最大温度上昇は想定内(約4度)の3.1度だった。
 共通排気筒解体工事で、クレーンでつるす解体装置が筒頂部に約1.6メートル届かないことが判明。20日に予定していた着手の延期を発表。
14日  1号機原子炉格納容器の内部調査のため、格納容器外扉に穴を1カ所開けた。穴は監視用と調査装置投入用の計3カ所開ける計画で、内部調査は本年度上期に始める。
20日  2号機の格納容器で窒素封入量を正確に把握できないミスが判明。封入量を測る装置の下限値が毎時10立方メートルにもかかわらず、職員が必要封入量の5立方メートルまで測定できると勘違いしていた。東電は安全上の問題はなかったとみている。
21日  厚生労働省が新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を廃炉作業に受け入れることに関し、東電に「極めて慎重な検討」を求める通達を出した。
22日  東電は特定技能の外国人労働者を当面、廃炉作業に就労させない方針を決めた。
28日  構内で作業中の協力企業の40代男性が午後7時ごろに体調不良を訴え、救急車でいわき市内の病院に搬送された。
30日  2号機の使用済み核燃料プールの燃料取り出しで、従来の建屋上部を解体する工法に加え、建屋上部を残す工法も検討していることを明らかにした。

◎荷揚げ場として再活用

Q メガフロートはどういう構造物か。

A 英語で「巨大な浮体」を意味する鋼鉄製の浮島で、国内ではフェリー桟橋や石油備蓄基地などに活用されている。第1原発構内のメガフロートは全長136メートル、幅46メートル、高さ3メートルで、元々は静岡市が海釣り公園として使用していた。

Q なぜ第1原発にあるのか。

A 原発事故直後、5、6号機建屋に低濃度の放射性物質を含む滞留水が発生した。当初は中古タンカーを活用して滞留水を貯留しようと検討したが、港湾の水深が浅いため入港できなかった。そこで東電がメガフロートに目を着け、静岡市から譲渡を受けて2011年5月に第1原発に移送。内部の1万トンの空洞を利用して6月末から滞留水を一時貯留した。

Q その後はどうなったのか。

A 滞留水を12年12月までに地上のタンクに移したことでメガフロートは役割を終え、構内に係留されていた。その後、津波発生時に漂流物となって原発設備を損傷させる恐れが指摘された。南側に移動させてから港湾の底に沈め、盛り土を施すなどした上で荷揚げ場として再活用することにした。工事は21年度の完了を目指している。


2019年06月07日金曜日


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