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十和田湖畔でゆっくり ワーキングスペース10日開設 復興従事の仙台の夫婦提案

リラックスチェアに座る小林さん(右)と恵里さん。のんびりした過ごし方を提案する
yamajuの内装イメージ(風景屋ELTAS提供)

 十和田市奥瀬の十和田湖畔休屋に、ゲストハウスを兼ねたワーキングスペース「yamaju(ヤマジュ)」が10日、オープンする。手掛けたのは仙台市の小林徹平さん(31)と妻の恵里さん(33)。2人は東日本大震災の復興事業に携わっていたのを機に知り合った。「ゆっくりするのが、この地域らしさ」と、湖畔での過ごし方を提案する。

 小林さんは東北大の助手として、石巻市の復興計画の策定などに従事してきた。次々と進む復興。計画の先にある人々の暮らしとの隔たりを感じたという。長い時間をかけて醸成された暮らしの風景を見つけ、育んでいきたい−。思いは強くなり、大学を辞めた。
 恵里さんは震災後、一般社団法人に入り、石巻市で開かれるアートと食、音楽の総合祭「リボーンアート・フェスティバル」の開催に携わった。
 2人は結婚し、2017年春、建築デザインなどを手掛ける「風景屋ELTAS」を設立した。小林さんは17年秋、青森県から街並みの相談を受け、十和田湖畔を調査。震災の影響で観光客が減り、廃業した店舗が目立つ一方で、豊かな自然に心を打たれたという。
 地域の本質を探るため、付近の商店主らにヒアリングすると、多くが湖畔を「保養地」「安息地」と考えていることを知った。
 「何もしないでゆっくりと過ごすのが、十和田湖畔の『地域らしさ』なのではないか」。自分たちで「らしさ」を表現してみようと拠点づくりを決意した。
 コンセプトは「あずましい(心地よい)湖を楽しむうつわ」。店名は廃業した土産店兼食堂の屋号「山寿」にちなんだ。2階建て店舗は延べ床面積約380平方メートル。無線通信Wi−Fi(ワイファイ)などを整備し、1階を仕事場を共同利用できるワーキングスペース、2階をゲストハウスに改装した。4泊以上の滞在者を受け入れる。
 パソコン一つで仕事をする人の利用を想定したワーキングスペースは、年間パスポートが1万円など。ゲストハウスは4〜6泊で1人1泊3000円と、安く設定した。共に会員制。
 昨年秋からマルシェや勉強会を開き、ヤマジュは地域の交流拠点になりつつある。「自分たちが動き、少しでも地域に変化を起こせたらいい」(恵里さん)、「のんびりと満足して過ごせる場所になってほしい」(小林さん)との思いを胸に新たなスタートを切る。


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2019年06月08日土曜日


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