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<仙台市>来年度からAIで市税徴収強化 滞納者の属性分析し催告

 仙台市は市税の収入率アップを図るため、滞納者の属性を人工知能(AI)で分析し、効果的に催告する新たな徴収対策に来年度から乗り出す。滞納者への接触はベテラン職員の経験則が頼りだったが、最先端技術の活用で徴収効率を高める。市によると、徴収対策へのAI活用は政令市では初めてで、全国的にも例がないという。
 市税の納付期限が過ぎると、市は滞納者に督促状や催告書を順次送付する。それでも滞納が続く場合、催告書送付から約1カ月後、電話や文書で催告し、1、2カ月後をめどに差押執行予告書を送る。
 AIは催告書送付以降の徴収対策に活用される。複数年度にまたがる滞納がなく、未納が生じたばかりの新規滞納者を対象とする。
 2009年度以降の新規滞納者の職業、住所、滞納額、催告時期、納付実績などを記した「交渉記録」をAIに分析させ、傾向を把握。徴収対象者への催告は電話か文書かをはじめ、電話する時間帯や文書の送付順など効果的な手法を提案させる。
 これまでは滞納額の大きい順に電話催告したり、ベテラン職員の「会社員は日中に電話しても出ない」「外国人や自営業者は日中が効果的」といった経験則に頼ったりしていた。来年度からはAIの分析に基づき、滞納者それぞれの属性に合わせた催告に取り組む。
 市は17年11、12月の2カ月間、AI活用の実証実験を実施した。16年度の交渉記録を分析させた結果、催告書送付から3週間後に納付が増えると判明。文書催告までの間を1カ月から3週間に変更すると、納付率は約6%向上したという。
 AIが提案した曜日や時間帯に電話催告し、応答率が約9%上がる結果も出た。市の試算では、AI活用で年間4545万円の新規滞納額の減少効果がある。
 市によると、市税の17年現年度(17年4月〜18年5月)収入率は99.3%。約13億円の新規滞納が生じ、収入率は全国20政令市の中で11位に甘んじる。
 市徴収対策課の桜井一幸課長は「AIの活用で、新任職員でも効果的な催告ができる。その分、ベテラン職員は長期滞納者の訪問など難しい対応に回り、全体として市税の滞納額を減らせればいい」と期待する。


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2019年06月09日日曜日


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