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<宮城県沖地震41年>危険ブロック塀、実は増加 02年度の3倍に 劣化対策が急務

ひびが入ったブロック塀。経年劣化などで補修や撤去が必要な塀は増えている=宮城県大河原町

 ブロック塀の危険性を広く知らしめた宮城県沖地震から12日で41年。危険なブロック塀は減るどころか、歳月の経過とともにむしろ増えていることが宮城県の調査で明らかになった。
 大阪府北部地震を受け県は2018年度、02年度以来となる調査を実施。前回同様、公立小のスクールゾーン(半径500メートル圏内の通学路)を対象とした。
 02年度は仙台市を除く34市町村のブロック塀536カ所が「要改修」「要撤去」と判定された。18年度は独自基準で調査する4市を除く31市町村で1713カ所見つかり、自治体数が減ったにもかかわらず危険ブロックは約3倍に膨らんだ。
 急増の主な原因に考えられるのはブロック塀の劣化だ。県や関係市町村は02年度以降、危険箇所を追跡調査して所有者に改善を促し、17年度末現在で88カ所(16.4%)まで減った。一方、それ以外の「特に問題なし」「特に危険はないが注意事項あり」などと判断されたブロック塀の状況は確認していなかった。
 ブロック塀の耐久年数の目安は約30年。風雨にさらされると劣化などで鉄筋にさびが生じ、耐力が低下する。東日本大震災など相次ぐ地震で強度が弱まったケースも考えられる。
 県建築宅地課は「要改修や要撤去以外も継続的なフォローが必要だと感じた。具体的な対応策を検討したい」と説明する。
 大河原町は潜在的な危険ブロック塀が一気に表面化した自治体の一つ。町内3校の周辺で要改修、要撤去と判定されたブロック塀は各校45〜62カ所の計167カ所。02年度調査で28カ所だったが撤去が進み、数字上は4カ所まで減っていた。
 子どもの見守り活動を行う町内の男性(77)は「危険なブロック塀が特段多いとは知らず、これまで無頓着だった。学校は危ない場所を子どもたちに知らせ、対策を取ってほしい」と要望する。
 危険ブロック塀の撤去を推進しようと、県内では七ケ宿町以外の34市町村が解体の助成制度を設ける。補助額は最大15万円が多いが、塩釜市は国が拡充した補助制度を活用し、5月から30万円に引き上げた。市定住促進課は「補助制度を対象者に直接説明し、危険なブロック塀の解消に努めたい」と語る。
 東北工大工学部の最知正芳特命教授(建築生産工学)は「小学校は災害時の避難所になる。子どもの安全を考えれば、早急に塀の高さを低くするか撤去を進めるべきだ」と訴える。


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2019年06月11日火曜日


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