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古代の遺産守り後世に 山元町、埋蔵文化財収蔵庫を整備

県内で初めて出土した銅製壺鐙(山元町教委提供)

 東日本大震災の復興事業に伴う宮城県山元町の発掘調査で、6〜7世紀を中心にした古代の武具や馬具、土器などが多数出土したことを受け、町は埋蔵文化財収蔵庫を整備する。9月に着工し、2020年3月の完成を予定する。

 町生涯学習課によると、収蔵庫は鉄筋平屋約200平方メートルで、町歴史民俗資料館に隣接する。土器や石器を収納する一般収蔵室、修復を行う作業室、温度湿度管理が必要な金属製品を納める約42平方メートルの特別収蔵室を設置する。
 建築工事費は約1億460万円で震災復興交付金事業となり、町負担は1%。町議会6月定例会に予算案を提出した。完成後の数カ月間は建物内を乾燥させ、20年夏ごろに収蔵を始める。町民らを対象にした修復作業の模擬体験などにも活用する意向だ。
 山元町では線刻壁画が見つかった合戦原遺跡など63遺跡115地点から約1100箱分の出土品があった。漆が塗られた馬具「銅製壺鐙(つぼあぶみ)」、金銅製の馬具「花形杏葉(はながたぎょうよう)」など出土例が少なく、貴重な金属製品も見つかった。
 出土品の一部は、既に町歴史民俗資料館で展示されている。大半は現在、東北歴史博物館(多賀城市)や民間業者で修復保存処理が施されている。
 町生涯学習課の担当者は「相当な力を持った権力者が存在し、重要な地域だったことがうかがえる。震災がなければ見ることができなかった宝物を守り、活用していきたい」と語る。


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2019年06月11日火曜日


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