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「常磐もの」復権へ一歩 相馬・いわきでホシガレイ、ヒラメ稚魚放流

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県沿岸部で10日、今年2月に全面完成した県水産資源研究所(相馬市)で生産された稚魚の放流が始まった。相馬市では高級魚ホシガレイ1万匹、いわき市ではヒラメ10万匹の稚魚を放流。市場で人気のあった「常磐もの」の復権へ大きな一歩を踏み出した。
 相馬市の松川浦では、相馬共同火力発電所の温海水を利用して6〜8センチにまで育てたホシガレイを岸壁からスロープ伝いに流し入れた。11、12日と合わせて計11万匹を放流する。研究所としては過去最多規模の生産数となる。2年ほどで30〜40センチに成長するという。
 川田暁副所長は「ホシガレイは震災前の産地価格が1キロ当たり5000〜1万円だった。苦労が実って育った稚魚。ヒラメに続く新たな魚種として水産振興につなげたい」と話した。
 いわき市の久之浜漁港では地元漁業者ら約30人が6〜9センチに成長した稚魚を小型船3隻に積み込み、沖合で放った。27日までに、市内の他地区や浪江、新地両町、南相馬市でも放流する。総数は震災前の約100万匹に戻る。
 原発事故後のヒラメ試験操業は2016年9月に始まり、漁獲量が徐々に増えている。いわき市漁協の江川章組合長は「震災前と同規模の放流が復活し、一歩前進と感じる。風評の払拭(ふっしょく)や担い手づくりにつながると期待したい」と話した。
 震災の津波で福島県大熊町にあった県水産種苗研究所が全壊。種苗生産は県外委託やいわき市の仮設施設で小規模で続けられてきた。

いわき市の久之浜沖で漁船からヒラメの稚魚を放流する地元漁業者ら


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2019年06月11日火曜日


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