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<NTT東日本>仙台に新ビル 23年完成、放射光施設と連携

再開発される仙台中央ビル。解体は来月始まる

 NTT東日本が、仙台市青葉区中央の中心市街地にある仙台中央ビルの再開発に乗り出すことが11日、関係者への取材で分かった。同区の東北大青葉山新キャンパスに建設される次世代型放射光施設との連携を見据え、施設を利用する企業向けのオフィスや寄宿舎を備えた複合ビルを整備する。完成は施設の稼働に合わせて2023年6月を予定し、来月にも既存ビルの解体工事に着手する。
 新ビルは16階程度で延べ床面積約2.4ヘクタールを計画する。投資額は約100億円。NTT東が所有する土地をグループのNTT都市開発(東京)が借地し、ビルを建て替える。解体は20年9月に完了、新築工事は21年7月開始の見込み。
 上層部を含む半分以上は情報セキュリティー上の安全性を高めたオフィスとなる。膨大なデータの高速処理が可能なサーバーや、NTTグループが独自開発したAI(人工知能)学習向けのサーバーを活用することで、研究の高度化や迅速なデータ解析ができる。
 下層部には企業をはじめ、起業家や投資家、学生らが共同利用するコワーキングスペースを設ける。交流を通じた共同研究や開発を促し、新規事業やサービスの創出を手助けする。企業の研究者らが寝泊まりできる寄宿舎も整備する。
 地上階には、誰もが立ち入れる市民参画空間として「イノベーションスペース」を設置する。放射光施設を利用する企業と住民、学生らが交流できる場所にするほか、情報発信の拠点として利用してもらう。各機能は施設利用が見込まれる企業などに聞き取りして詰めた上で、今後策定する基本設計に盛り込む。
 新ビルはNTT東が青葉区に持つ仙台青葉通ビルなどを経由し、放射光施設と高速大容量の通信回線で結ばれることで、現状で数テラバイト(テラは1兆)〜数十テラバイトとされる膨大な解析データを円滑に利用できる。
 NTT東は新ビルの運用に当たり、連携協定を結ぶ東北大に加え、宮城県や仙台市、地元金融機関などと協調。ICT(情報通信技術)を駆使して地域の課題解決を図り、東北の経済をけん引する「仙台エコシステム」を構築する。
 現在の仙台中央ビルは1962年完成。通信機器の営業や電報の受け付けを担っていたが、17年末に閉鎖された。NTT東は再開発に当たり、ホテル建設などを検討したものの放射光施設と連動した街づくりを図る方針に転換した。

[次世代型放射光施設]光速近くまで加速された電子が放つ強力な光を利用し、物質をナノ(10億分の1)レベルで分析する。整備運営は官民共同で行う。光科学イノベーションセンター(仙台市)と宮城県、仙台市、東北大、東北経済連合会が5者連名で誘致を提案した。3月に敷地造成に着手し、2023年度の運転開始を目指す。国内では九つの放射光施設が稼働しており、創薬や新材料開発など、多分野の製品開発に使われている。


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2019年06月12日水曜日


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