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<気仙沼大島>アワビ激減の原因磯焼け対策 アラメで藻場再生へ 漁業者と研究者、移植実験

地元の漁業者と協力し、アラメをネットに設置する山川さん(左)

 気仙沼市の大島で、東京海洋大の研究者と地元漁業者が共同で、アラメを活用して藻場を再生させる取り組みを進めている。海藻が減る「磯焼け」が原因で島のアワビが激減し、対策が急務となっていた。漁業者がアラメを育てて海に移植するサイクルをつくり、海の砂漠化を防ぐ計画だ。
 東京海洋大海洋生命科学部海洋政策文化学科客員研究員の山川紘さん(78)が対策を考え、県漁協気仙沼支所大島出張所に所属する漁業者が協力している。
 実験は昨年10月に始まった。プラスチックケースの中でアラメの種付けをし、芽が付いた瓦をロープに結び付けて大島中が所有するイカダで育てた。
 その後、育ったアラメの葉(長さ30センチ)数枚を付けたブロックをネット(縦1メートル、横1メートル、高さ0.4メートル)で囲み、海底に沈めた。
 海に移す作業は今月4〜6日の日程で行われた。山川さんの指導の下、アラメが育ちやすそうな場所など6カ所を選び、地元の漁船がネットを運んだ。
 大島出張所によると、2018年度の大島のアワビの漁獲量は約800キロ。東日本大震災前の10年度の約7トンから大幅に減った。震災後に大量発生したウニが、アワビの餌でもあるアラメなどの海藻を食べて磯焼けが深刻化したのが原因とも言われている。
 作業に立ち会った大島出張所運営委員会代表の小野寺清次さん(75)は「今、真剣に磯焼け対策に取り組まなければ、アワビは採れなくなり、実入りの悪いウニばかりになってしまう」と危機感を募らせる。
 今後は、ネットを沈めた周辺の岩場に付いた胞子の状態などを定期的に調べる。胞子の付着が確認できれば、漁業者の協力をさらに増やし、海に移植するアラメの量を増やす予定。
 山川さんは「作業は比較的簡単で費用もかからない。漁業者が自主的に取り組むようになっていくのが理想的だ」と話している。


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2019年06月12日水曜日


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