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<平瀬智行の戦蹴眼>意思疎通 常に大声で

◎連敗続くアウェー

 5、9日の日本代表の国際親善試合は興味深かった。2−0で勝った宮城スタジアム(宮城県利府町)でのエルサルバドル戦は、2得点ともDFの鋭い縦パスが起点となった。選手の距離間がしっかりしているので、パスコースを見つけるとすぐ足元に速いボールを出していた。仙台も参考にしてほしい。2戦ともフル出場したGKシュミットも集中したプレーで頼もしく見えた。
 代表活動で中断していたJ1リーグは14日に再開。仙台は15日に松本戦が控える。7連敗中と苦手としているアウェー。ホームでは4連勝中と持ち味を出せているのに、敵地では攻守ともちょっとしたミスを相手に突かれてしまう。勝ち点1を得られる引き分けにすら持ち込められず、負の連鎖に陥っているように感じる。
 象徴的だったのが5月25日の清水戦。前半2分にアウェーで今季初めて先制点を奪ったのに、わずか3分後に守備のミスで同点にされた。常に集中力を持ち、自分のやるべきプレーを全力で示してほしかった。
 ピッチレベルで見ていると、選手同士であまり声を掛け合っていないのが気になる。特に守備陣は前線の選手に「相手に寄せろ」「つぶせ」など常に大声で要求して意思疎通を図るべきだ。ピッチではけんか腰でも激しく言い合い、試合が終わってから互いの意図をじっくり話し合えばいい。特にアウェーでは仲間の声が大きな励ましになるはずだし、相手にプレッシャーも与えられる。
 自分が鹿島でプレーしていた時はそうだった。年上の大岩剛さん(現鹿島監督)や秋田豊さん(現解説者)らに「相手DFの裏ばかり蹴るな」「足元によこせ」と常に要求し、パスが合わないときには「ヒラ(平瀬)遅いぞ」と言われた。「うるさい」と返したけど。
 現役最後にプレーした当時の仙台でも常に大声を出し合っていた。2009年、あるアウェーの試合で追い付かれて引き分けた後、ロッカールームで攻撃と守備の選手が「もっと点を取ってくれ」「何で守り切れなかったんだ」と激しく言い合った。それが、J1昇格決定まで6勝1分けの快進撃につながった。
 アウェーで重ねた悔しさを晴らすため、選手には「おとなしいサッカーはもうやめよう」と言いたい。特にシュミットには期待している。長身で反応の速さや的確な足技などGKに必要な能力を多く持っているのだから、今後も国際舞台に立つには要求し続けることが欠かせない。代表で経験を重ね、その重要性を分かっていると思う。
 松本戦でまずはアウェー初勝利できれば、悪い流れは変わるはず。松本は熱心なサポーターが多く、スタジアムも異様な雰囲気に包まれるかもしれない。大きな後押しを背に向かってくる相手を、大声のエネルギーではね返してほしい。(ベガルタ仙台クラブコーディネーター)


2019年06月14日金曜日


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